(公財)都市住宅学会は25日、上智大学にてシンポジウム「空き家問題の本質と適正管理・事業化・地域活性」を開催した。後援は国土交通省、(公社)日本不動産学会。
冒頭、同学会副会長の浅見泰司氏(東京大学大学院工学系研究科教授)は、「空き家の増加が社会問題となっている。ただし、ひと口に空き家といっても、問題となる可能性があるものとそうでないものがあるので区別して考えねばならない。今回のシンポジウムを通して空き家問題の新たな切り口を探っていきたい」と挨拶した。
シンポジウムでは、(公団)日本住宅総合センター主任研究員の行武憲史氏とリクルート住まい研究所所長の宗 健氏が、それぞれ空き家の現状について解説。続いて、島根大学教育学部教授の作野広和氏、埼玉県川口市技監兼都市計画部長の粟津貴史氏、(株)レイデックス代表取締役の明石卓巳氏らが、それぞれの地方自治体等の取り組み事例を紹介した。
その後、講演者をパネリストに、上智大学法科大学院教授の北村喜宣氏をコーディネーターにパネルディスカッションも実施。空き家の全体的な実態把握方法、適正な管理方法、空き家に関する利活用や事業化とその課題等について、意見が交わされた。「地方では、地域の課題を解決することが空き屋問題の解決につながってくる」「今や住宅の品質も向上している。今後は中古住宅の流通が促進されれば自然と空き屋は少なくなってくるはずだ」などの意見が挙がった。