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業績賞に「平成の京町家 東山八坂通」等2件選定/日本不動産学会

 (公社)日本不動産学会はこのほど、第21回日本不動産学会業績賞および田中啓一賞の受賞者を発表した。

 業績賞は、不動産開発事業ばかりでなく、金融、流通、管理、調査、出版、情報、教育など幅広い不動産事業や関連制度を対象に、優れた不動産事業を顕彰している。毎年開催される秋季全国大会において、業績賞の授賞を行なっている。
 田中啓一賞は、2011年度より同会会員で不動産についての実務または政策形成に関して積極的でユニークな活動をして成果を収めたと認められる個人または団体に対し授与するもの。春と秋の年2回表彰している。

 今回の業績賞は、候補数4件の中から(一財)日本不動産研究所の「国際不動産価格賃料指数」、京都大学大学院工学研究科高田研究室と(株)ゼロ・コーポレーションの「平成の京町家 東山八坂通」の2件を選定した。
 「国際不動産価格賃料指数」は、不動産鑑定士を現地に派遣し、日本における鑑定評価と同様な方法で評価を行ない、日本目線で同一に比較できる指標を作成した点、東京とアジア10ヵ国のオフィス、マンションの分譲・賃貸価格を比較検討でき、さらに時系列での比較も可能となった点等を評価。
 「平成の京町家 東山八坂通」は、景観規制が厳しい京都において一団地の総合的設計制度の適用により木造低層連棟型区分所有建物を計画・分譲し、市場メカニズムを活用して地域の課題解決を図っている点、周辺のまち並み景観と調和し、快適で防災性能を高めた敷地内空間を創出し、隣接袋路との緊急時避難経路を確保することで地域の防災性能を向上している点等を評価した。

 田中啓一賞は、(株)不動産経済研究所の「全国マンション市場40年史」(マンション事業の今後の方向性をはかる基礎データ集)、(株)アーバネットコーポレーションの「アート・ミーツ・アーキテクチャー・コンペティション」(立体彫刻を学ぶ大学生向けに作品コンペ・展示等の機会を提供)、(株)グローバル・エルシードの分譲マンション「ウィルローズ横濱南太田」(横浜市南区)が受賞した。

 表彰式は、22日開催する同学会の秋季全国大会(会場:富山大学五福キャンパス)で行なわれる。


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