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「フロントのモチベーションの高さが居住者満足に影響」/マンション管理業協会調査

パネルディスカッションでは、現場のフロント業務担当者も参加し意見を述べた

 (一社)マンション管理業協会の産業政策委員会(委員長:日本ハウズイング(株)代表取締役社長:小佐野 台氏)は26日、2012年11月より有識者と共同で行なってきた「マンション管理業の実態調査」について、結果を公表した。

 同調査は、マンション居住者の管理へのニーズ、およびその満足度の実態を明らかにすることを目的に実施したもの。供給側(マンション管理会社・フロント業務担当者)と需要側(居住者)の双方にアンケートを実施し、分析を行なった。供給側の調査対象は、同協会会員社391社、調査期間は12年12月13日~13年1月23日。需要側の調査対象は、マンション居住者および購入予定者延約7,000人、調査期間は13年12月16日~14年1月29日。

 それによると、フロント業務担当者のモチベーションが高いマンション居住者は、サービスへの満足度も高いことが分かった。また、教育訓練を受けた人ほど、仕事への満足度が高いという傾向も確認された。モチベーション向上に寄与する受講内容は、「コミュニケーション能力を高めるための教育」「マンション管理業務における苦情、トラブルへの対応に関する知識」など。一方で、定期的に教育訓練を受けていると回答したフロント業務担当者は全体の12.3%にとどまるなど、課題も浮き彫りとなった。

 サービスに関するニーズについては、「設備の保守点検」(23.2%)、「清掃業務」(17.1%)、「緊急時の対応」(17.6%)に関して、さらなる充実を望むとの回答が全体の6割近くを占めた。また、マンション管理の知識を豊富に持ち、管理に対して高い関心を持つ居住者ほど、「長期修繕計画の策定・更新」「マンションの資質価値向上に資する提案」などの多様なサービスに目が向き、かつ提供されているサービスにも満足していることも分かった。

 引き続き、明海大学不動産学部教授の齊藤広子氏をコーディネーターに、共同研究者である東京大学大学院経済学研究科教授の大橋 弘氏、摂南大学経済学部講師の西川浩平氏、現場のフロント業務担当者として、日本ハウズイング(株)の若杉達矩氏、(株)ダイワサービスの勝又 由起子氏が参加してのパネルディスカッションを実施。同調査の結果を受け、フロント業務担当者の2人は「フロントのモチベーション満足が居住者満足につながる『善の循環』という結果に勇気付けられた」「コミュニティ形成のきっかけとなるイベントの提案力が必要」などと意見を述べた。


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