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「建築費の高騰」をテーマに研修会/日本不動産カウンセラー協会

「知識をビジネスに活かしてほしい」等と話す吉村理事長

 特定非営利活動法人日本不動産カウンセラー協会は2日、東京国際会館(東京都港区)で研修会を開催した。

 東日本大震災の復興需要や、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催決定を受け建築費の高騰が取りざたされていることから、「建築費の高騰と不動産ビジネスの展望」をテーマに設定。同協会理事長の吉村真行氏は「建築費の高騰は難しい局面を迎えている。センシティブな問題でもあるが、ここで得た知識を業務に活かしてほしい」と挨拶した。

 第1部では、(一財)建設物価調査会総合研究所の経済研究部長・橋本真一氏が、ここ数年のデータに基いて建築費の状況を解説。「ストック時代の建物価格評価は、長期的耐用年数が得られるスケルトンと修繕・更新が必要な設備とで構成されていくので、ライフサイクルでのコスト認識が必要」とした。

 また、減価償却を主体とした評価だけでは、ストック活用や再生の機運は高まらず、修繕履歴や修繕・再生計画等の建物原価と付加価値を評価した不動産価格の設定が必要であること、原価が正確に認識されないことは、建設技能労働者への賃金ひっ迫や施工品質の低下を招くおそれもあることなどを指摘。「建築プロジェクト当事者間で状況打開に向けた取り組みが必要」と話した。

 研修会ではその他、(株)久米設計コストマネジメント部統括部長・皆銭宏一氏による「建設費高騰の中での設計事務所の苦悩」や、吉村理事長による「建築費の動向を踏まえた不動産カウンセリングビジネスの展望」等が行なわれた。


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