ジョーンズ ラング ラサール(株)(JLL)は2日、記者懇親会を開催し、2015年の日本不動産市場の動向と見通しについて明らかにした。
東京のAグレードオフィスビル市場は、12年第2四半期から賃料が上昇に転じ、東京は回復基調が加速。長らく下落が続いていた大阪オフィス市場についても、ようやく上昇基調に転じたことを解説。また東京都心5区については「15年は供給量が減少するため、空室率の下落とともに、賃料上昇が継続するだろう」(リサーチ事業部長・赤城威志氏)と語った。
売買市場については、商業用不動産投資への直接投資が、震災のあった2011年を底に年々回復。14年は1,000億円超の大型取引がみられるなど、活発な動きを見せた点を説明。買い主属性としては、私募ファンド・不動産会社の伸びが目立ち、海外投資家による物件取得も11年以来前年比二ケタ増を見せている点などを解説。
こうしたことを踏まえ、15年の1年間でAグレードオフィス賃料は14年比で7~8%の伸びを予測。取引総額については、14年比15~20%増の5.5兆から6.0兆円を見込むとの予想を明らかにした。
代表取締役の河西利信氏は、「海外投資家は、アベノミクスの失速や人口減などによる国力低下を懸念してはいるものの、不動産のクオリティや低金利など、日本のアドバンテージも見た上で、まだまだ投資意欲は高い。国際的には低いと見られている情報の透明度を高めていけば、市場はさらに拡大していくだろう」と語った。