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「住生活総合サービス」展開の方向性について提言/マンション管理業協会

「住生活総合サービス」展開の方向性について、3年間の研究成果を5名の学識経験者が発表した

 (一社)マンション管理業協会は14日、2011年から3ヵ年計画で進めていた「住生活総合サービス」確立に向けた学識経験者との共同研究のとりまとめを発表した。

 研究グループは、筑波大学教授の花里俊廣氏が代表を務め、摂南大学准教授の大谷 由紀子氏、日本工業大学准教授の佐々木 誠氏、山形大学准教授の貞包英之氏、弘前大学准教授の平井太郎氏ら5名からなるもの。11年度は「住生活総合サービスの理論的明確化」を、12年度は「マンション管理における顧客需要の明確化」を、13年度は「マンション管理業における業務提供価値の明確化」をテーマに、多方面から研究を実施。今回のとりまとめでは、3年間の研究成果を各委員が報告した。

 花里氏は、江戸川区のマンションを例に挙げ「中古マンション価格は耐震改修すると1戸当たり139万円高くなる」と報告。大谷氏は、住み心地に影響する要素について「マナー問題を含めた日常的な管理の質が影響する」と述べた。佐々木氏は、「マンション管理においてコミュニティ形成は必要」とし、新たなコミュニティサービスとして、コミュニティのあり方についての方針を定めた「コミュニティポリシー」を提案。貞包氏は、「コミュニティが熟成されたマンションでも、大規模な課題を容易に解決できるとは限らない」と、経年マンションの改修の難しさについて言及。平井氏は、マンション・ガバナンスを高めるための方策として「マンションごと、管理会社ごとに経験知の共有・更新を」などと提案した。


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