不動産ニュースと不動産業務のためのサポートサイト

BCP策定状況、「策定済み」が40%超えるも停滞気味に/NTTデータ経営研究所調査

 (株)NTTデータ経営研究所は23日、「東日本大震災発生後の企業の事業継続に係る意識調査」(第3回)の結果を公表した。
 
 NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション(株)が提供するインターネットリサーチサービス(登録モニター200万人)および小規模事業者に対するクローズド調査により2014年12月18日~15年1月8日にかけて非公開型インターネットアンケートを実施。有効回答者数は1,038人。

 現在のBCP策定状況については、「策定済み」が40.8%、「策定中」(22.3%)までを含めると63.1%となった。従業員規模が大きくなるにつれてBCP策定済みの企業の割合が増え、500人以上の企業ではほぼ半数が策定していることが分かった。 
 業種別では、「金融・保険業」の「策定済み」が67.3%、「公共機関」の「策定済み」は56.4%だった。地域別では東北(50.0%)、関東(45.4%)が高く、一方、北海道(22.2%)と九州・沖縄(21.7%)といった比較的地震の起こりにくい地域では低い結果となった。

 前回および前々回の調査によって抽出した13年1月時点と、東日本大震災前のBCP策定状況を比較すると、「策定済み」の企業は13年1月時点では、東日本大震災を契機として約1.5倍の40.4%に増加したものの、以降は増加傾向が弱まり、15年1月時点では40.8%と停滞している様子がうかがえる。

 現在の自社のBCPにおいて、どのようなリスクを想定しているかについては、「地震(主として直下型地震)」(73.5%)が最も多く、次いで「地震(倒壊・東南海・南海連動地震等の超広域地震)」(62.9%)、「地震以外の自然災害(風水害等)」(48.8%)等が挙がった。
 また、現在のBCPにおいて想定している拠点は「本社」が89.9%と最も多く、「支社・事務所(工場、研究所含む)」(55.9%)、「営業所・営業拠点」(25.7%)、「物流拠点」(11.3%)、「取引先」(4.0%)となり、9割の企業が本社を想定拠点としているが、取引先といった自社を超えた想定はもちろん、自社内でも営業拠点・物流拠点にまで想定拠点を広げることができている企業は少なく、3割を切った。

 同社は、実質的な事業継続性担保のためにも、企業間連携を視野に入れた解決策が望まれていると見解を示した。


最新刊のお知らせ

2025年5月号

「事故物件」、流通の課題は? ご購読はこちら