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住宅ファイルやエスクローの共同研究等で協定/都宅協・都鑑定協

協定書を取り交わす、都宅協・瀬川会長(写真左)と都鑑定協の稲野邉会長

 (公社)東京都宅地建物取引業協会と、(公社)東京都不動産鑑定士協会は24日、中古住宅の流通活性化を目的とした共同事業・研究に関する協定を締結した。

 中古住宅の流通活性化が社会的課題となる中で、都宅協会員の持つ不動産実務の専門知識と鑑定協会員の持つ不動産評価に関する専門知識とを出し合うことで、中古住宅の流通活性化に資する事業や研究を進めるのが狙い。

 具体的には、中古住宅の性能、価格情報、権利情報などを集約しユーザー等に提供する「住宅ファイル」の開発とその実現に向けた活動や、米国のエスクロー制度の分析研究、借地権に関わる一時金についての研究等について共同で取り組み、不動産流通の現場での建物鑑定評価の適正化、リフォームローンやリバースモーゲージの普及につなげていく。研究成果は、研究会や研修会を通じて、双方の会員の業務に活かしていく。双方の代表による連絡会や、テーマごとの研究部会など結成し、向こう1年間かけて調査研究を行なっていく方針。

 同日の調印式で挨拶した都宅協会長の瀬川信義氏は「われわれ不動産流通業者と不動産鑑定士は、もっと密接な関係であるべきとの考えから、協定の締結に至った。1年以内には何らかの形で成果をお示ししたい。今後もさまざまな分野で協定を結び、双方の入会促進につなげていきたい」などと抱負を語った。また、都鑑定協会長の稲野邉 俊氏は「不動産鑑定業と関わりの深い専門団体との提携を、以前から模索していた。お互いの知見を出し合うことで、不動産流通市場を活性化し、公益社団法人として都民に貢献していきたい」と語った。


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