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千葉・稲毛で日本版CCRC開発、将来は1,200戸規模へ/スマートコミュニティ

居住棟「スマートヴィレッジ稲毛」外観
クラブハウスでは、なだ万監修の食事を提供するほか、フードコート形式の食堂も2014年6月にオープンした
「CCRCは、政府も地方創生プロジェクトの一つとして本格的に検討している。新しい動きとして広げていきたい」と話す(株)スマートコミュニティ代表取締役社長の染野正道氏

 スマートコミュニティ(株)は25日、アクティブシニアを対象としたコミュニティ型レジデンス「スマートコミュニティ稲毛」(千葉市稲毛区、771戸)のプレス向け内覧会を開催した。

 同施設は、アメリカで人気の高い「Continuing Care Retirement Community」(CCRC)の日本版。CCRCとは、高齢者が健康なうちに入居し、終身で過ごすことが可能な継続的ケアやサービスが整った集合住宅地のこと。日本ではまだなじみが薄いが、アメリカではアクティブな老後を楽しむ理想空間として浸透しており、ほぼすべての州に約2,000施設程度あるという。

 「スマートコミュニティ稲毛」は、JR総武線「稲毛」駅からバスで約18分、下車後徒歩約2分に立地。全体の敷地面積は2万2,767.09平方メートル。居住棟(分譲マンション「スマートヴィレッジ稲毛」)とクラブハウス(地上4階建て、敷地面積1万7,561.09平方メートル)、グランド(敷地面積7万4,184.48平方メートル)から構成されている。
 居住棟と併せて、食事サービスなどを受けられるクラブハウスなどの利用権をセットで販売。入会資格は満50歳以上で自立した生活を送ることをできる人となっている。

 「スマートヴィレッジ稲毛」は、A棟(地上14階建て、総戸数255戸)、B棟(地上14階建て、総戸数255戸)、C棟(地上5階建て、総戸数117戸)がすでにオープンしており、D棟(地上6階建て、総戸数103戸)とE棟(地上5階建て、総戸数41戸)が3月より入居開始となる。専有面積は27.60~119.94平方メートル。

 クラブハウスでは、朝夕の食事を提供するほか、テニスやゴルフ、ダンスや楽器、陶芸など、さまざまなアクティビティを随時開催。居住者が立ち上げたサークルや、季節の行事なども楽しむことが可能。日中は、看護師や保健士が常駐。地域の医療機関と連携し、医師による診察や治療も受けることができる。また、フロントには24時間スタッフが常駐する。

 価格は入会金が50万円、施設利用権利金が140万円、月額費用は8万4,763円(一人入居の場合、税別)。マンションの販売価格は1,390万~7,490万円(税別)。
 現在は、A棟とC棟はほぼ完売し、B棟は30平方メートル台の住戸が100戸程度残っている。入居者の平均年齢は71歳で、東京都内近郊、千葉県の人が多く、7割が単身者だという。

 同社代表取締役社長の染野正道氏は会見で、「4月で開業から5年になる。順調に販売でき、3月下旬からは、来年竣工のF棟(105戸)を販売する。今後はG棟の建設も考えており、最終的には1,200戸規模になる予定。将来的には他の地域でも、500~1,000戸程度のもう少し小さい規模での開発を考えている。政府も地方創生プロジェクトの一つとして、CCRCを本格的に検討しており、地方都市に向けてこのスタイルを発信し、新しい動きとして広げていきたい」などと述べた。


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