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「マンション2025ビジョン懇話会」、超高齢化等の課題に向け提言/マンション管理業協会

同シンポジウムでは、基調講演を行なった一級建築士の宮城秋治氏を交え、同会委員によるパネルディスカッションを実施
提言書をマンション管理業協会・山根理事長に手渡す齊藤座長。「提言実現のため、マンションに関係する事業者や団体は、それぞれの役割において最大限の努力をしていただきたい」などと話した

 (一社)マンション管理業協会は16日、「マンション2025ビジョン懇話会」(座長:齊藤広子明海大学不動産学部教授)主催のシンポジウムを、東海大学校友会館(東京都千代田区)で開催した。

 同会は、11年に設置した「マンション長寿命化協議会」を改組したもの。昨年7月より、後期高齢者の急増などに象徴される「2025年問題」を踏まえた、マンションおよびマンション管理における将来の課題等について同協会からの諮問を受けていた。そこで、マンションを取り巻く今後約10年間の環境の変化等も想定しつつ、さまざまな角度から考察・検討。今回のシンポジウムで、同会委員によるパネルディスカッションを行ない意見を集約、提言としてまとめた。

 提言は、(1)長く安心して住まうための「マンション再生」の推進、(2)居住者の高齢化への対応、(3)マンションの資産価値の維持・向上のための施策の構築、(4)マンションの多様化に備えた他業態との新たな連携、(5)マンション管理の新たな責務、の5つ。

 (1)では、従来の大規模修繕工事等に加え、安全性、快適性を確保し時代に合った建物にするための「耐震改修」「バリアフリー改修」「省エネ改修」といった「マンションを再生させる」ためのメニューを組み込んだ長期修繕計画の見直し、必要となる資金の手当て等の対策の早期検討を提言。(2)では、居住者の高齢化に向けた情報の収集、および新たなルールの整備や、地域と連携した高齢者対応、多世代間交流の場と機会の提供などに言及した。

 (3)では、市場の評価につながる「マンション再生」の実施、情報提供の促進することが必要であるとし、(4)では他業種との連携により総合力を高めるといった対応の必要性を提案。(5)では、既存マンションだけでなく、これから建設されるマンションについても「長く、安心して住み続ける」ことができる建物として設計、デザインされていくことが重要であるとした。


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