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グリーンリース・ガイド作成に向け、検討事項最終報告/国交省

検討会の様子

 国土交通省は19日、「環境不動産普及促進検討委員会」(座長:野城智也東京大学生産技術研究所教授)の第3回目の会合を開催した。

 会合では、ワーキンググループで行なった検討内容の最終報告と、とりまとめに向けた意見交換を行なった。グリーンリースの名称について、観葉植物と間違えられないよう副題を付けるとし、ガイドラインには、グリーンリースに取り組むためのきっかけとなるような経済的メリットを組み込むこと、対象分野はエネルギー・CO2を中心に考えるが、それ以外の分野の活用も可能とすることなどを掲載する方向で検討が進められたと報告した。

 また、前回会合の際に提言があった、テナントが環境不動産を選択した際のインセンティブ付与や制度設計についても議論。大手企業向けには、グリーン調達の一環としてCSR報告書に「環境不動産を賃借している」などの記載を可能とする、中小企業向けにエコ事業所マークを名刺にいれる、官公庁の入札要件にするなどの取り組みをアピールする場をつくる、といった意見を紹介。

 委員からは「ガイドは海外の翻訳版ではなく、日本の商慣習に配慮したものとしてほしい」、「テナント等に対するインセンティブは、確かなものとならないと普及が難しい。可能であれば、金銭以外にどのようなものが効果的かアンケートを実施するなどして再度検証した方がよい」などの意見が挙げられた。

 会合の最後、座長の野城氏は、「今年度の会合では、グリーンリースについてかなり現実的で実務的な課題を議論できた。環境不動産の情報の共有化には、共通の言葉やものさしが必要だということが重要だということも明らかになった。これらを踏まえ、日本の環境不動産普及の動きがさらに着実なものなるよう今後も貢献していきたい」とまとめた。

 国交省は、検討会の内容を踏まえ15年度にグリーンリースガイドと認知のためのリーフレットを作成。検討課題の整理をして来年度以降も引き続き検討会を開催する予定。


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