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BCP機能や環境性能を向上させた「新ダイビル」竣工/ダイビル

建て替えた後の「新ダイビル」外観

 ダイビル(株)は、大阪市北区で開発していた複合施設「新ダイビル」を竣工した。大阪・堂島地区のランドマークとして親しまれた旧「新ダイビル」を建て替えたもので、名称は、旧ビルを継承し再び「新ダイビル」としている。

 京阪中之島線「大江橋」駅徒歩2分、地下鉄御堂筋線・京阪本線「淀屋橋」駅徒歩5分に位置。鉄骨造(一部鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄筋コンクリート造)地上31階地下2階建て(1~2階:商業施設、5~31階:オフィス)。延床面積7万7,388平方メートル。

 敷地内には、約1,000坪の「堂島の杜」を設けており、都市の中にありながら安らぎを感じられる空間を創出。ムクノキ、ケヤキといった在来種を中心とした樹木を用い、さまざまな生物たちが生息する森づくりを目指した。これらの取り組みにより、(公財)日本生態系協会による生物多様性の保全や回復に資する取り組みを評価する「JHEP認証」において、西日本初となる最高ランク「AAA」も取得している。

 BCP対策として、地震時の揺れを軽減するオイルダンパーを配置した制振構造を採用。停電時への対応として、連続72時間稼働できる非常用発電機も用意した。オフィスには自然換気システムを設置しており、空調停止時でも外気の取り入れが可能となっている。

 環境対策では、東西面3.2m、南北面1.8mの石貼りの大庇により、開放的な眺望を確保しながら日射を遮蔽する事で、空調負荷を抑制。また、LED照明の全面採用や高効率な設備機器の導入など、環境への取り組みを積極的に行ない、標準的なオフィスビルと比較してエネルギー消費量を約50%削減可能とした。
 これらの取り組みが評価され、(株)日本政策投資銀行の「DBJ Green Building 認証」において、国内トップクラスの卓越した「環境・社会への配慮」がなされたビルとして「2014 five stars」を取得した他、「CASBEE 大阪みらい」(大阪市建築物総合環境評価制度)においても「S」評価を取得している。

 オフィスゾーンには丸紅(株)および丸紅グループ各社、(株)日立製作所および日立グループ各社などの入居が決定しており、5月の連休明けから順次稼働する。商業ゾーンは、7月グランドオープンする。

 また、今回の同ビルの建て替えに合わせ、同ビル南側に位置する「堂島公園」の施設を改修し、大阪府に寄付した。「堂島公園」の土地は、1959年に、同社が緑地公園を整備した上で大阪市に寄付したもので、老朽化が進んでいた事から大阪市や地元との協議の上、改修することにしたもの。


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