積水ハウス(株)は26日、4月より開園する認可保育園「江東湾岸サテライト スマートナーサリースクール」(東京都江東区)の開所式を開催、施設を報道陣に公開した。
同社が設計施工を担当した同保育園は、江東区が都市部における待機児童対策として開園するもの。イオン東雲店の1階駐車場に建設した分園「東雲キャンパス」(敷地面積453.04平方メートル、定員49名)と、有明にある本園「テニスの森キャンパス」(敷地面積2,521平方メートル、定員222名)で構成。朝夕のお迎えは分園にて行ない、バスで送迎して本園へ移動するサテライト形式の保育園。運営は社会福祉法人高砂福祉会が行なう。事業費は約8億6,400万円。
建物は耐震・耐火構造で、遮熱断熱ペアガラス、断熱サッシを採用し、次世代省エネルギー基準の高断熱性能を確保した。屋上緑化を施し、庭園には伐採予定だった樹を移植しシンボルツリーとするなど、植栽にも取り組んでいる。
また、災害時には設置している太陽光パネルや風力発電システムの非常用コンセントから電力の融通が可能。日常使うトイレは、断水でも使用できるタンク式を採用したほか、3つの雨水タンクにより、災害時用の備蓄水としてトイレの洗浄などに使用できる。さらに災害発生時には、園の横に船が停泊し、船や駐車場の電気自動車を電源として、園で電気を使用できる。他にもかまどベンチの採用などにより、防災拠点としても地域に貢献する。
開所式で江東区長の山崎孝明氏は「江東区はまもなく人口が50万人になる。待機児童の解消は喫緊の課題だが、保育所を整備できる土地を確保するのが難しい状況。今回は、バスで送迎するサテライト方式という先進的な取り組みを行なった。2020年東京オリンピック・パラリンピックの会場として中心的な役割を果たすこの地で、世界に誇れる保育園にするため、環境に配慮し災害にも強い機能を取り入れた」などと述べた。