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横浜・洋光台の団地再生プロジェクト、具現化に向け新体制でスタート/UR都市機構

同機構理事長の上西氏(中央)は、「かつて成長期に憧れのブランドだったUR団地だが、現在も住む人に愛着を育んでもらえるような団地にしたい」などと述べた。左が隈氏、右が佐藤氏

 (独)都市再生機構(UR都市機構)は26日、2011年12月から横浜市・洋光台で行なってきた団地再生プロジェクト「ルネッサンス in 洋光台」の具現化に向け、「団地の未来プロジェクト」を新事業として展開していくと発表した。

 「ルネッサンス in 洋光台」では、少子高齢化の進む洋光台地区のUR賃貸住宅(洋光台北団地、洋光台中央団地、洋光台西団地)を核として、同地区全体の活性化を推進。これまでに、建築家の隈 研吾氏やクリエイティブディレクターの佐藤 可士和氏らをアドバイザーに迎え、JR「洋光台」駅前にある「洋光台中央団地」内の広場の改修検討や、コミュニティ活性化の活動拠点「CCラボ」の設置等を実施してきた。

 今回始動する「団地の未来プロジェクト」は、これまでの「ルネッサンス in 洋光台」における成果や継続して議論されてきた検討事項を踏まえ、問題を一つずつ深化・具現化していくことを目的としている。「団地の未来プロジェクト」始動を機に、隈氏を「ディレクターアーキテクト」に、佐藤氏を「クリエイティブディレクター」に再度任命した。

 具体的には、洋光台北団地・北集会所の「改修アイディアコンペ」を計画しているほか、地域コミュニティの新たな拠点となる商業空間の活性化、団地ならではの防災対策等を手掛けていく。「集まって住むメリットをさまざまな形にし、開かれたまちづくりを実現」することをコンセプトに、「団地から想像するイメージを刷新し、新たな文化の創造につながる独自のアイディアを展開していく」(佐藤氏)ことを目指す。隈氏も「洋光台団地が“将来の団地のモデル”となり、日本の再生につながるようなプロジェクトにしていきたい」などと話した。

 同機構理事長の上西郁夫氏は、「かつて成長期に憧れのブランドだったUR団地を再び活性化させるために、イメージ戦略や愛着が育める環境整備などを進めていく。『ルネッサンス in 洋光台』を通じて一つずつ実現させ、新たな住まい方や地域の活性化を通じて、社会全体にも好影響を与えていきたい」と抱負を述べた。

 同プロジェクトは16年度をめどにトライアル期間を終了させ、そのノウハウや成果を全国へ普及させていきたい考え。


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