(株)LIXILの研究機関であるLIXIL総合研究所は、2015年度から研究施設「U2-Home(ユースクウェアホーム)」(千葉県野田市)でビッグデータ等の先端技術を活用した高度利用の研究に着手する。
同研究施設では、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)時代やスマートコミュニティ社会の到来を見据え、住生活の未来のためのさまざまなアイディアの実証実験を行なっている。
「U2-Home」では、門扉や外壁、窓、天井、壁、ドア、キッチン収納など、屋内外に200以上のセンサーを設置してネットワーク化し、部屋ごとの温度や湿度、ドアの開閉、住人の在室状況など、日々住生活に関わるデータを収集している。また、屋外のセンサーからは、天候や風向き、PM2.5、紫外線などの情報が得られる。
これらの住生活データについて、レベル1「人に伝達」、レベル2「住環境を制御」、レベル3「高度な利用」の3段階での活用を検討。現在はレベル1・2の段階で、安心・安全・健康・省エネ等、トータルな生活価値向上を目指した実験を行なっている。
同研究施設で培った技術の一部は、LIXIL住宅研究所のコンセプトホーム「GURU GURU」や「レジリエンス住宅」、東京大学と連携した研究施設「COMMAハウス」、LIXILショールーム東京のスマートハウス展示などにも反映。また、14年5月からは研究成果の一部を各分野の専門家や企業、団体などに公開し、スマート社会のイメージや課題の共有、共同研究を行なっている。
15年度からは、レベル3の段階として、ビッグデータや人口知能(AI)等の先端技術を活用した、より高度な利用を目指して研究を進める。なお、これらの研究は、介護・医療・防犯・エネルギー・生活サービス・教育・メディアなど、多くの分野への活用を見込んでいる。