国土交通省は21日、東洋ゴム工業(株)の免震材料に関わる当初の55棟以外の不正事案の疑いについて、同社より報告を受けたことに伴い、第5回不正免震材料を用いた建築物の安全対策に関する連絡会議を開催した。
冒頭、北川イッセイ国土交通副大臣は「情報を共有し対応方針を検討しながら、課題に対し成果が出せるよう議論を進めてほしい」と挨拶。
会議では、同社の調査により、55棟以外で1996年~2015年の間に同社が免震材料を出荷した154棟の建築物のうち、所要の性能を有しない製品が納品されていた建築物が90棟、製造時のデータが欠損している製品が納品されていた建築物が9棟あったことが分かったと報告した。
会議後の会見で同省は、同社に対し、(1)154棟の建築物の所有者に調査結果を早急に説明するとともに、所要の性能を有しない製品または製造時のデータが欠損している製品が納品された99棟の建築物については、当該建築物の設計者等の関係者と協力し、4月中を目標に構造安全性の検証を実施すること、(2)構造安全性の検証を踏まえ、必要なものについては免震材料の交換・改修その他必要な対策を速やかに実施すること、(3)徹底した原因究明を行ない再発防止策を検討すること、(4)瑕疵の疑いがある認定申請について速やかに事実関係の調査を行なうこと、(5)引き続き、東洋ゴム工業が保有するほかの大臣認定について改めて法適合性を確認すること、などを指示したと報告。
また、同社以外の26社に対しても実態調査を実施。その結果、現段階で認定不適合・認定不正取得は見受けられないが、今後報告内容をさらに精査した上で、第三者委員会に報告、指示を受け、必要に応じ追加調査等を実施するとした。