積水ハウス(株)は24日、マスコミ向けに高齢者向け住宅事業についての報告会を開催した。
同社が全国で供給するサービス付き高齢者向け住宅(サ付き住宅)は、2015年4月時点で9,564戸で、総数17万7824戸((一社)すまいづくりまちづくりセンター連合会)に対するシェア5.37%を占める。東京都では、自立健常型サ付き住宅「グランドマスト」シリーズと介護型サ付き住宅「Cアミーユ」の2つのブランドで展開し、グループ全体で2,005戸を供給、シェア20.71%。
医療介護事業の受注高(医療施設含む)は、14年度が665億円となり、15年度は800億を目標に設定。今後、高齢者住宅事業については、(1)高齢期の早めの住み替えの促進、地域包括ケアサービスを視野に(2)充実した医療・介護サービスとの連携による、終末期までの住み続けられるサ付き住宅の供給促進、(3)高齢者、障害者および子育て世帯が安心して生活することができる住まい・住環境の整備促進を掲げ、将来的には医療介護事業の受注高1,000億を目指していく。
また、14年11月に設立した高齢者向け賃貸住宅の運営と管理を専門に行なう積和グランドマスト(株)では今後、居室専有面積25平方メートル以上の「自立型」サ付き住宅の一括借り上げ・運営を中心に事業展開。同社代表取締役社長の小山 健氏は「現在の首都圏中心から大阪、名古屋、広島、仙台など地方都市での展開も視野に、20年の管理戸数5,000戸(うち東京都6割)を目指す」とした。
なお、「自立型」に注力する理由としては、現在供給されているサ付き住宅では、介護型(18~25平方メートル)が74%と高い割合を占めるが、高齢者数に対する介護認定者の割合が18%と、高齢者市場と住宅供給にギャップがあること、75歳以上に占める要介護認定を受けていない「自立した高齢者」は70%と、その多くを占めていること、また、運営するサ付き住宅における退去理由として「まだ介護は不要」「居室面積が狭い」等の理由が多かったことを挙げている。