国土交通省は24日、第4回「大都市戦略検討委員会」(委員長:奥野信宏中京大学理事)を開催した。大都市が直面している、国際的な都市間競争の激化、郊外部の高齢者の急増、巨大災害の切迫等の課題解決に向け、これまでの都市再生・大都市政策を検証するとともに、今後の大都市政策の方向性を検討する。
今回は、大都市圏内・圏域間の役割分担と連携をテーマに、事務局が交通ネットワーク、ICTの発展等を踏まえ、大都市圏内の都市構造、圏域間の役割分担と連携はいかにあるべきか、整備が進んでいるリニア中央新幹線の開業により人流等の変化は、リニア中間駅を含め都市構造にどのような影響を与えるか、大都市が機能を一体的に発揮することが可能になるとすれば、今後大都市はどのようにそれぞれの個性を活かしていくべきかを論点として挙げ、事例等を紹介しながら現在の状況や予測される変化について説明した。
参加した委員からは、「課題である老朽化した物流施設の更新についてローリングの手法をとった場合、種地が必要となるが、どの程度離れていてもよいものなのか」「東京には、生物多様性が確保された皇居や農地がある。そのような都市は世界でも珍しい。そういったことをもっと世界に発信していった方がよい」「都市開発における民有の緑も増えているが、維持管理をするのにコストがかかる。現在は事業者任せになっているがそれでよいのか」など、緑の利活用と都市物流についての意見が活発に交わされた。
次回は、5月18日に開催予定。