住友林業(株)は12日、2015年3月期決算説明会を開催した。
当期(14年4月1日~15年3月31日)は、連結売上高9,972億5,600万円(前期比2.5%増)、営業利益339億9,400万円(同1.7%増)、経常利益364億2,400万円(同8.5%増)、当期純利益185億7,200万円(同17.6%減)。
木材建材事業は、消費税増税に伴う反動減の影響が想定以上に長引き苦戦。売上高は4,230億2,000万円(同7.8%減)、経常利益は40億3,900万円(同18.4%減)にとどまった。
住宅事業も、反動減の影響が長引き受注が低迷、注文住宅事業の棟数が減少した。賃貸住宅事業は規模拡大に注力し、受注・販売とも増加したが、売上高は4,539億4,000万円(同2.5%減)、経常利益は283億200万円(同12.1%減)となった。
海外事業は、オーストラリア・米国において住宅事業を行なうHenley社の通期寄与や、M&A等の効果により大幅に業績を伸ばし、売上高1,470億2,400万円(同92.6%増)、経常利益61億2,600万円(前期:経常損失1億4,900万円)を計上した。
今後については、木材建材事業は、チップ等のバイオマス燃料やリフォーム資材の拡販、物流システム等の機能提供を強化し、海外流通事業の事業拡大を推進。アジア向けの国際材原木の輸出強化にも注力する。
住宅事業については、戸建注文住宅事業は「邸宅設計プロジェクト」を中心に、高額物件の取り込みを引き続き展開。東京地区に営業人員を40名増員するほか、都市型戦略商品の投入により、市場拡大とシェアアップを図っていく。リフォーム事業は、マンションリフォームの受注拡大を強化する。
海外事業は、米国全体で年間3,000棟の販売目標達成にめどをつける。また、豪州も年間3,000棟の販売体制確立に向けた事業基盤を整備していく。
12日に会見した同社代表取締役社長の市川 晃氏は「今期は海外事業の伸張が、木材建材事業と住宅事業の落ち込みをカバーし、増収増益に。特殊要因があった当期純利益を除いて、すべて前期を上回った。今後、戸建注文住宅事業は、販売減少をリフォーム事業、賃貸住宅事業の拡大で補っていく。また、都市部での営業力を強化して受注拡大を目指していく。海外事業は、大きな柱として収益の3割を支える規模に成長させていきたい」などと述べた。