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調布の建て替えマンション完成。移設した市道はコミュニティ道路に/旭化成不動産レジデンス

このほど竣工した「アトラス調布」。中央に走るのが移設された市道。幅は5m。緩やかにカーブを設けたほか、道路部分にせり出す形で植栽するフォルト(狭さく帯)を設けるなどの工夫により、通過車両の減速などにつなげる
敷地の中央にある通りを歩く人たちが楽しめるよう、外観デザインなどにも工夫を凝らしている。北棟のエントランスからは、通行者が北側にある庭園をも眺められるような設計上の工夫も
メゾネットタイプのモデルルーム。窓を大きくとることで美しいまち並みを存分に楽しめるようになっている。大きな窓は、外からみても景観構成のアクセントとなっている

 旭化成不動産レジデンス(株)は18日、建て替えマンション「アトラス調布」(東京都調布市)を報道陣に公開した。

 同物件は、旧「調布富士見町住宅」の建て替えプロジェクト(詳細はニュース参照)。

 「1971年築の建物でしたが、水漏れが多発したことや、室内洗濯機置き場がない、エレベーターがないなどの問題もあり、2006年頃から建て替え検討委員会などを立ち上げました」(調布富士見町住宅マンション建替組合副理事長・多田陽子氏)。大規模修繕・建て替えのどちらに進むべきかなど検討を重ね、11年に一括建て替え決議が成立。このほど竣工を迎えた。

 従前の、延床面積1万470平方メートル、地上5階建て5棟、総戸数176戸が、建て替え後は延床面積3万5,060平方メートル、地上8階地下1階建て(南棟)・地上6階地下1階建て(北棟)、総戸数331戸となった。

 建て替え実施にあたり、市道を移設。交差点を整形化すると共に、敷地を通らないと公園にアクセスできない状況を改善。移設した市道はコミュニティ道路として、緩くカーブをつけたり、フォルト(狭さく帯)などを設置し、通過車両の低速化を図るなどの工夫を凝らしている。

 建物は、雁行型住棟設計とし、開放的なプランを実現。外観は、全体としての統一を図りつつも、変化に富んだ外観フォルムの採用により、通過する人が住まいの表情を楽しめるように工夫している。1階部分には共用施設を配置し、北棟では、エントランスを通じて敷地内の庭園を望めるように配慮するなとの工夫も行なっている。

 住戸は、専有面積は56~94平方メートル、メゾネット住戸も9戸用意した。非分譲住戸を除く販売戸数は227戸で、販売価格は4,300万~5,500万円台、最多価格帯は4,600万円台。3LDK・70平方メートル台が中心。約8割が契約済み。


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