(一財)サービス付き高齢者向け住宅協会(サ住協)は20日、品川グランドホール(東京都港区)で「第6回高齢者集合住宅研究大会」を開催した。
大会の第1部では、同協会会長の橋本俊明氏による「高齢者ケアの進展と今後の問題」と題した講演に続き、(株)メッセージや(株)ニチイケアパレスらが事例や研究紹介を行なった。自由参加のスタイルで、(株)リクルート住まいカンパニーのSUUMO介護の紹介や、サービス付き高齢者向き住宅事業者協会総会を兼ねたランチョンセミナーも行なった。
第2部では、国土交通省住宅局安心居住推進課課長の中田裕人氏に代わり、企画専門官の堀崎真一氏が、「サービス付き高齢者向け住宅の現状と今後の方向性について」と題した講演を行なった。2014年9月に設置された「サービス付き高齢者向け住宅の整備等のあり方に関する検討会」の中間とりまとめがこの5年間の方向性を示すとし、供給状況や質等の実態や、高齢者世帯の居住状況を発表した。検討会でも重要化している立地に関する問題について同氏は、「地価の安い立地、郊外部にサ付き住宅の供給過多が見られる。国交省が推進するコンパクトシティを実現する上では、高齢者住宅も同様。今の供給状況で適切かどうかを今後検討しなければならない」などと述べた。
続いて厚生労働省老健局高齢者支援課長の辺見 聡氏が、「高齢者向け住まいに関する施策について」の講演を行ない、地域との関わりの重要性について述べた。
今大会のテーマである「サービス付き高齢者向け住宅の住まいとケアの分離について」と題したパネルディスカッションでは、(株)学研ココファン代表取締役社長の小早川 仁氏を進行役に、行政や事業者、消費者の立場の5名の専門家が登壇し、広い視点での意見交換を行なった。「そもそもサービス付高齢者向け住宅とは何か?」「サービス選択の自由を謳う施設があるというほどに、サービスの選択が自由ではない現状はなぜ起きているのか」など、あらためてサ付き住宅のあり方について議論した。