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東京オフィス期待利回り、07年7月時点の最低水準を更新/CBRE調査

 シービーアールイー(株)(CBRE)は20日、第47回「不動産投資に関するアンケート」の調査結果を発表した。四半期ごとに不動産投資家に対して実施しているもので、今回は3月26日~4月20日の期間、215名を対象に実施。149名から回答を得た。

 今期の東京主要部の期待利回り(NOIベース)の平均値は全セクターで低下。利回りが最も低かったセクターは「オフィス(大手町)」となり、前期比5bps低下して3.85%と2003年7月の調査開始以来の最低水準(07年7月期、3.90%)を更新した。
 一方、東京以外の都市におけるオフィスの期待利回りは、大阪が前期比横ばい、名古屋は15bps低下。札幌、仙台、広島でも10bps以上低下しており、利回り低下は地方都市にも広がっている。

 オフィス(Aクラスビル)について「不動産取引量」、「売買取引価格」、「NOI」(物流施設は「賃料」と「空室率」)、「期待利回り」などの6項目に関する回答結果(DIとして集計)では、「3ヵ月前と比べた最近(回答時点)」の状況について、改善したDIは、「NOI」(対前期比7ポイント増)、「金融機関の貸出態度」(同3ポイント増)、「売買取引価格」(同1ポイント増)の3項目。
 一方、悪化は「投融資取組スタンス」(同4ポイント減)、「不動産取引量」(同2ポイント減)、「期待利回り」(同1ポイント減)となったが、3ヵ月前と変わらないとの回答が増えたことがその要因。
 「NOI」についてはオフィス(Aクラスビル以外)でも改善(同9ポイント増)しており、3カ月後の見通しでもさらに7ポイント前後改善していることから、投資家の収益改善に対する期待が引き続き大きいことが分かる。

 物流施設(マルチテナント型)について、「空室率」(同8ポイント増)は改善したが、DIとしては低水準で推移。将来の大型供給が今期も懸念材料となったためか、6ヵ月後の見通しについては、「期待利回り」で同8ポイント減、「空室率」で同6ポイント減と悪化しており、需給バランスの緩和を注視する投資家が引き続き多いとみられる。

 一方、JREITによる取引や公表案件(10億円以上の取引、IPOに伴う取得は除く)を同社が集計したところ、15年(1~3月)の収益不動産の累計取引額は5,000億円(前年同期比33%増)となった。


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