国土交通省は23日、不動産鑑定士が既存の戸建住宅を鑑定評価する上で留意すべき内容について「既存戸建住宅の評価に関する留意点(案)」としてとりまとめた。
人口減少などによる社会環境変化への対応のため、良質なストックの形成・活用が政策課題としている一方で、耐震性能を満たさない建物が多いことなど、住宅ストックの質的な充足にはまだ不十分だとして、「既存建物評価検討ワーキングチーム」(座長:村木信爾氏=大和不動産鑑定(株)エグゼクティブフロー)を設置。市場の変化に応じた既存住宅の的確な評価方法の確立に向けて、原価法における建物の性能やリフォームの状況等を適切に評価に反映するための方法について検討を続けてきた。
案では、(1)鑑定評価における「個別的要因」の調査・分析、(2)原価法の適用における留意点について触れた。
(1)については、特に留意すべきものとして、住宅性能表示や長期優良住宅建築等計画、耐震診断、維持管理・増改築の内容などを挙げ、参考にすべきとした。
(2)に関しては、増改築が行なわれている場合にはその内容を査定に反映しなければならないとしたほか、維持管理の程度による劣化状況も、経済的残存耐用年数の判断材料にすべきだという内容を盛り込んだ。