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不動産価値の変化をテーマに講演/REB-1000社の会

セミナーの様子

 不動産事業者の情報交流を目的にした(一社)REB-1000社の会(代表世話人:清水修司氏、(株)SD建築企画研究所代表取締役)は29日、SYDホール(東京都渋谷区)にて、46回目となるビジネスセミナー・交流会を開催。220人超が参加した。

 セミナーでは、オラガHSC(株)代表取締役の牧野知弘氏が「不動産価値革命前夜」をテーマに講演を行なった。同氏は、REITや外資系、大手不動産会社が需要をけん引する形で、不動産流通取引量が大幅に増加している現状や、三大都市で地価が緩やかに上昇している不動産マーケットの概観について述べた上で、個別のマーケットについて説明した。 
 
 オフィスビルでは既存ビルの建て替えが進められている一方、建て替えができない中小ビルの老朽化が着実に進展しているとし、今後は「新築vs既存」「大規模vs中小」の二極化構造が進み、「2年後のオフィスマーケットは、壮絶な生き残りへの戦いが鮮明となる」と述べた。
 また住宅については、首都圏で高齢者単身世帯が急速に増加し、空き家問題が「地方」から首都圏の問題となると推測。その中で「住宅」の価値は「資産としての住宅」と「利用としての住宅」へと二極化が進み、「今後、不動産の価値の上昇が見込まれない日本においては資産を分散するとともに、残すものと手放すものを明確化していく必要がある」と語った。

 同氏は、このような不動産価値の変化が起こり得る時代においての不動産事業戦略について、「既存の土地・建物の所有ではなく、いかに利用するかが今後の不動産を扱うカギ」となるとし、「インバウンド」「高齢者」「女性」をキーワードに「顧客のニーズを的確に捉え、不動産の利用価値の診断や創造を、顧客に提案できる企業が勝ち残っていくだろう」などとと解説した。


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