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投資物件の期待利回り、全セクターで調査開始以来の最低値/CBRE調査

 シービーアールイー(株)(CBRE)は11日、2015年第2四半期の投資市場動向と、四半期ごとに実施している「不動産投資に関するアンケート」の結果を発表した。調査は15年6月22日~7月10日、不動産投資家などを対象に実施。144人から回答を得た。

 当期の収益不動産累計取引額(10億円以上の取引)は6,740億円(前年同期比28%減)。このうち、JREITによる取得総額は3,400億円(同94%増)、海外投資家による取得総額が800億円(同28%減)と、JREITが市場をけん引している様子がうかがえた。
 東京以外への投資家の関心が高まっており、14年後半から投資活動が活発な大阪では、取引額が1,010億円(同44%増)と大幅に増加。100億を超える取引も複数みられた。
 アセットタイプ別では、ヘルスケアを除く全タイプが前年同期に比べて減少。全体に占める割合はオフィス56%、商業施設16%、ホテル13%、住宅11%となった。ヘルスケアは規模は小さいものの、前年同期の6倍もの取引額となった。

 東京主要部の期待利回り(NOIベース)の平均値は、全セクターで調査開始以来の最低値を更新。「オフィス(大手町)」は3.78%で、前期に比べ7ベーシスポイント(bps)低下。03年7月の調査開始以来の最低値を更新した。「賃貸マンション」も同様に最低値を更新。ワンルームが4.65%(前期比5bps低下)、ファミリータイプが4.75%(同10bps低下)。「商業(銀座中央通り)」「ホテル(東京主要5区運営委託型)」「物流マルチテナント(首都圏湾岸部)」も期待利回りを落としている。
 東京以外でもオフィスの期待利回りが低下。大阪は5.55%(同10bps低下)、名古屋は5.83%(同7bps低下)となった。

 「オフィス(Aクラスビル)」について「不動産取引量」や「売買取引価格」「NOI」などについて聞くと、“3ヵ月前と比べた最近”の状況については「投融資取組スタンス」が横ばいとなった以外はDIが悪化。一方で将来の見通しについては改善してきている。
 「物流施設(マルチテナント型)」については「売買取引価格」「賃料」「期待利回り」といった項目でDIが改善した。ただ、15年第4四半期に約18万坪の大量供給が見込まれていることから、将来の見通しDIについては悪化している。


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