不動産ニュースと不動産業務のためのサポートサイト

「パッシブ×スマート」で維持管理コスト削減するマンション、港北NTで竣工/大京・近鉄不

「ライオンズ港北ニュータウンローレルコート」外観。敷地周囲にふんだんに植栽が施され、敷地内の緑化率は30%に達する
ビオトープは、井戸からくみ上げられた水を循環させる。水が気化することで気温が下がり、気圧差で生じた風を室内に取り込む
蓄電池は、44Kwhという大容量で、25Kwのソーラーパネルで発電した電力を蓄えることで、井戸水の揚水や散水、ビオトープの循環などに用いる。非常時はエレベータを11時間稼働できるほか、WiFiや井戸水などライフラインを確保する

 (株)大京が近鉄不動産(株)と共同で開発を進めてきた分譲マンション「ライオンズ港北ニュータウンローレルコート」(横浜市都筑区、総戸数221戸)が竣工。20日、報道陣に公開された。

 同物件は、横浜市営地下鉄ブルーライン・グリーンライン「北山田」駅徒歩12分の商業施設跡地に建設した、地上7階地下1階建てのマンション。

 港北ニュータウンのまちづくりで計画された緑豊かなエリアを緑道でつなぐ緑地計画「グリーンマトリックスシステム」の手法を採用。敷地外周にビオトープや遊歩道を設け、中庭や広場を約3,700本の在来種中心の植栽を施した緑道でつなぐ。機械式駐車場壁面や駐輪場天井、フェンスなどにも緑化を施し、緑化率は市基準の3倍となる30%にまで高めた。

 パッシブデザインと創エネ・蓄エネ・省エネを組み合わせ、維持管理コストをゼロに近づけることを目標に開発。25kWのソーラーパネルで発電した電力を大型蓄電池に蓄え、その電力を利用し、深さ90mまで掘削した井戸水をくみ上げる。井戸水は、植栽散水やビオトープに使用する。植栽やビオトープは、専門業者と住民が共同で管理していく。

 井戸水利用と太陽光発電・蓄電池により、年間約180万円の維持・管理コストを軽減。快適性を保ちながら、同規模のマンションより、管理費を25%低減する。

 建物周辺の気温が緑化で低下し、気圧が変化することで、涼しい風が住宅内に取り込まれるというパッシブ手法で、住戸の快適性を高めながら、エネルギー使用量を抑える。ルーバー付きの玄関ドアや室内ドア等により、室内換気量が約4倍となり、真夏の室温が平均5度弱低下。電気代約3,300円を削減する効果を生み出す。

 住戸は、専有面積67~108平方メートル、2LDK+S~4LDK。2013年12月から販売を開始し、15年3月に完売している。販売価格は、3,800万~7,300万円。坪単価203万円。購入者は、地元都筑区および隣接の港北区のファミリー層が中心だった。


最新刊のお知らせ

2025年7月号

定住・関係人口増加で空き家も活用? ご購読はこちら