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不動産私募ファンド市場規模は横ばいの15兆1,000億円/三井住友トラスト基礎研究所調査

 (株)三井住友トラスト基礎研究所は4日、「不動産私募ファンドに関する実態調査」結果を発表した。国内不動産を対象に不動産私募ファンドを組成・運用している不動産運用会社にアンケートを送付。有効回答数は58社。

 15年6月末時点での市場規模は、運用資産額ベースで約15兆1,000億円(14年12月末比0.3減)と推計。国内特化型私募ファンド、グローバルファンドそれぞれの総額も前回調査とほぼ変わらなかった。同社では、12年12月末時点での調査以降、保有物件の売却を進めたことが影響して減少傾向にあったが、市場の縮小傾向に歯止めがかかった可能性があるとみており、「今後私募ファンド市場が再び拡大基調に入り、健全に成長していくことが期待される」としている。

 デッド資金の調達環境については「非常に緩い」との回答が前回調査よりもやや減少したものの、「緩い」と合わせると8割を超えていることから、良好な調達環境が継続していることがうかがえる。

 15年1~6月における物件取得実績の調査では、7割超の運用会社が物件を取得したと回答。14年1月調査以降増加傾向にある。物件取得に至らなかった理由は、「価格目線が合わなかった」「入札における競合が激しかった」の合計が約8割を占めており、物件取得が困難な状況が継続していることが分かった。
 
 今後投資に注力していきたい物件タイプについては「オフィス」「商業施設」に次ぎ「ホテル」と回答する割合が多かった。また、注力していきたいエリアについては、「東京都心5区」および「東京23区」が多く占めた。また、「近畿圏」との回答割合が「首都圏」とほぼ同等の割合となったており、東京都心部での優良物件取得が困難になっていることから、投資対象エリアの分散が進んでいると分析している。

 詳細は、同研究所ホームページを参照。


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