三菱地所(株)は30日、東京都渋谷区千駄ヶ谷五丁目で開発を進めてきた「フロントプレイス南新宿」を竣工。報道陣に公開した。
フロントプレイスシリーズは、Aクラスビルクラスのスペックを持った新築中規模ビルシリーズ。これまでの基準階の面積は300坪前後。シリーズで一貫したデザインを採用するのではなく、それぞれの立地等に合ったものを採用している。南新宿はシリーズ4弾目、今年では3棟目に当たる。現在、同シリーズを複数箇所で計画しており、年間4~5棟進めていきたい考え。
南新宿は、敷地面積約922平方メートル、延床面積5,918平方メートル。鉄骨造・鉄筋コンクリート造地上8階地下1階建ての事務所・店舗・駐車場で構成する複合ビル。JR「新宿」駅徒歩3分で、明治通り沿いに立地する。同社が出資する「千駄ヶ谷五丁目特定目的会社」が事業主で、同社が開発業務受託者。当面同社グループで管理・運営をしていくが、将来的には売却も視野に入れている。
ビルの多いエリアであることから、個性のあるデザインを採用。外観は、窓をシンプルながら印象深い、グリッドパターンで構成した。また、新宿御苑に近接していることから、エントランスやエレベーター内などの共用部各所に緑色を取り入れたほか、屋上にはテナント専用テラスを設置した。
建物は建築基準法の1.25倍の耐震性を確保。自然換気設備やLow-Eペアガラス、主照明としてLEDを採用した。また、基準照度を500Lxとし、人感センサー、照度センサーと併せて、省エネ効果を高めている。
日本政策投資銀行の「DBJ Green Building 認証」制度において「2014 plan ★★★★」(極めて優れた「環境・社会への配慮」がなされたビル)の格付けを取得している。
事務所の基準階フロアは、面積約170坪、天井高2.8m。店舗部分は大通り沿いの1階であることを生かすため、開口部を広くし、奥行きを出さない設計とした。
すでに全フロアテナントが決定。10月に内装工事に入り、11月末より入居開始予定。賃料はオフィスで坪当たり2万半ば~後半。
なお、同物件至近で「千駄ヶ谷五丁目北地区第一種市街地再開発」を進行中。敷地面積約4,140平方メートル、延床面積約4万3,600平方メートル。鉄骨造・一部鉄骨鉄筋コンクリート造地上16階地下2階建ての複合ビルを建設予定。2017年4月に着工し、19年8月に竣工を予定している。