東京ガス(株)都市生活研究所このほど、「地域コミュニティ意識を計測する尺度」を開発したと発表。
これまでは、地域の特徴を把握し、生活者の地域コミュニティ意識を簡易計測する手法が確立されていなかった。そこで、追手門学院大学経営学部准教授の石盛真徳氏、龍杞憂大学法文学部准教授の加藤潤三氏、信州大学人文学部准教授の岡本卓也氏との共同研究により「生活者の地域コミュニティ意識を計測する「地域コミュニティ意識の計測尺度」(以下、計測尺度)を開発したもの。これを用いた分析により、地域の特徴や強み・弱みを把握することができ、コミュニティづくりに活用できるとしている。
「コミュニティ要因」(生活者が地域コミュニティに対して求めるニーズで、実生活で重視する要因)、「パーソナル心理要因」(地域コミュニティに対してつながりをかんじるかと言った情緒的な要因)、「総合評価」(地域の総合的な評価)の3つの視点でまとめており、「コミュニティ要因」と「パーソナル心理要因」に関連する116項目の中から、「総合評価」と関係性の強い「住宅環境」「人間関係」「地域への愛着」「近隣の人とのおつきあい」など26項目を選定。総合評価の2項目(生活満足・定住意向)と合わせて計測尺度としている。
この計測尺度を用いて分析すれば、対象となる地域の特徴を視覚的にわかりやすく多面的に把握することができるため、まちづくりやコミュニティづくりの前後で調査を行なうことで、定量的な効果測定が可能となるという。また対象地域におけるコミュニティ要因の満足度と重視度の相対的関係が分かるため、地域の強み・弱みの把握が可能となるという。