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西葛西の団地で働く女性のためのリノベ/UR都市機構

システムキッチンを刷新。55~57平方メートルタイプの部屋では、キッチンの閉鎖的な雰囲気を払拭するため、リビングに面する収納を一部撤去し、開放感を出している。キッチン全面はタイル張りに。また目地はグレーの仕上げにすることで、多忙な働く女性に配慮し、カビなどの汚れが目立たない工夫も
3点ユニットは、トイレ、バス、洗面を別に。スペースの問題を解消するために、浴槽を設けず、シャワーユニットを導入。ホテルのようなオーバーヘッドシャワーで快適な入浴時間を実現する
押し入れ部分をそのまま生かし、クローゼットに転用。奥行きがあるため、衣類を多数収納できるよう、パイプを2本通した。働く女性に配慮するため、室内物干しも用意した

 (独)都市再生機構(UR都市機構)東日本賃貸住宅本部は7日より、葛西クリーンタウン清新プラザ(東京都江戸川区、管理戸数325戸)で実施した「働く女性のための住まい」のリノベーションを実施した住宅の入居者募集を開始する。

 UR都市機構内に立ち上げた「若手チャレンジプロジェクト」の中の1テーマとして進めてきたもので、女性職員によるチームを立ち上げ、働く女性の「この団地に住みたい!」を実現するためにアイディアを出し、実現化したもの。

 葛西クリーンタウンは、東京メトロ「西葛西」駅徒歩10分で、ビジネスの中心である「大手町」駅へは15分圏内とアクセスも良好であることから、同団地での実施を決定。
 リノベーションにあたっては、女性目線での「どん引き解消」を進めるために、「水回りの清潔感アップ」と「今の生活スタイルに合った収納」の2テーマに焦点を当てて実施した。
 
 システムキッチンは(株)アドヴァン(東京都渋谷区)と共同開発し、導入。洗面化粧台もおしゃれで使いやすいものに変更した。また3点ユニットのものはそれぞれ別なものへと刷新し、在来浴室を生かす場合についても、床や壁との隙間を少なくできる浴槽を採用。床タイルもカラーのサーモタイルに変更するなど、快適性を向上させた。

 収納については、押し入れをクローゼットに改修したほか、従来大割りで使いづらい収納を、収納の割りを小さくするなどの工夫をすることで、容量を保ったまま使いやすい形にするなどの工夫を施した。

 なお、間取り変更などの大規模な工事は実施しておらず、工事費圧縮を図った。

 今回の募集は8戸、間取りは1LDKで、42平方メートルと55~57平方メートルの2タイプ。家賃は42平方メートルタイプで9万2,800~9万3,400円、55~57平方メートルで11万4,700~11万8,000円で、いずれも従前家賃からは10%ほどのアップになるという。
 すでにホームページでのPRをスタートさせており、それを見た人からの反響も多数得ているという。

 今回の取り組みでリーダーを務めた同社ストック事業推進部ストック再編事業第1チームの卜部聖子氏は「われわれが働く女性なので、その視点をプランに生かした。今後の反響を見て、他の団地でも取り組みを進めたい」と語った。


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