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東京Aグレードオフィスビルの賃料、14四半期連続で上昇/JLL調査

 ジョーンズ ラング ラサール(株)(JLL)は9日、2015年第3四半期(7~10月)の「ジャパンプロパティダイジェスト(JPPD)」を発表した。同調査は日本のオフィス、リテール、ロジスティクス、ホテル市場における市況、需給や空室状況、賃料・価格動向、および12ヵ月予測をまとめたもの。

 当期の東京のオフィス市場では、Aグレードオフィスの坪当たり平均月額賃料は3万4,688円(前期比0.7%増)と、14四半期連続で上昇。上昇ペースは3四半期ぶりに減速した。
 空室率は、3.3%(同変化なし)で横ばいとなり、前年同期比では0.6ポイントの低下となった。15年の新規供給の予約契約率が60%程度にとどまり、引き続き空室率の押し上げの要因となった一方で、既存物件の空室率は引き続き2%台で推移した。
 価格は前期比0.2%増、前年同期比15.2%の上昇となり、賃料と同様に価格も上昇ペースが減速。一方、投資市場は、投資法人がNOI利回りが3.8%で取得する事例がある等、活発であった。
 今後12ヵ月については、賃貸市場は、空室率が低位かつ安定的に推移し、賃料は緩やかに上昇する見通し。投資市場は投資家による関心の高まりを反映して、投資利回りが一層低下。賃料上昇もあいまって価格が上昇するとみている。

 大阪のオフィス市場は、Aグレードオフィスの坪当たり平均月額賃料が1万6,125円(同0.6%増)と、5四半期連続の上昇となった。上昇ペースも2四半期ぶりに加速。空室率は5.5%(同0.4ポイント下落)と、5四半期連続で低下した。
 今後12ヵ月については、賃貸市場は景気回復が続けば堅調に推移するとする一方、新規供給の予定がないため、空室率への低下圧力が加わり、賃料が緩やかに回復するとみている。投資市場では、価格は賃料上昇と投資利回りの低下を反映して引き続き上昇する見通し。

 東京の商業施設市場については、賃料は月額坪当たり7万4,737円(同1.1%増)。上昇基調は8四半期連続で上昇ペースは前年並みとなった。
 物流市場は、平均月額賃料が4,197円(同0.3%増)と、11四半期連続の上昇に。ホテル市場の需要は、訪日外客数は15年8月までで累計1,290万人(前年同期比49.1%増)となり、訪日外国人客と国内アクティブシニア層が宿泊需要を創出した。


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