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地場仲介会社の景況感DI、賃貸は4エリアで前期上回る/不動産流通研究所調査

 (株)不動産流通研究所は10日、2015年7~9月期の「地場の不動産仲介業における景況感調査」(第7回)の結果を公表した。アットホーム(株)に研究を委託して四半期ごとに行なっているもの。

 北海道、宮城県、首都圏、静岡県、愛知県、近畿圏、広島県、福岡県のエリアごとに業況判断指数(DI)を算出。DIは「50」が前年並み。アットホームの全国不動産情報ネットワーク加盟店のうち、同一都道府県内で5年を超えて不動産仲介業に携わる2万4,385店の経営者や役員、管理職を対象にインターネットで調査。有効回答数は653店。

 7~9月の賃貸仲介DIは、北海道45.0(4~6月期比5.0ポイント上昇)、宮城県35.9(同4.3ポイント上昇)、首都圏39.5(同1.0ポイント低下)、静岡県35.7(同1.2ポイント低下)、愛知県39.5(同1.1ポイント低下)、近畿圏41.5(同1.1ポイント上昇)、広島県50.0(同2.3ポイント上昇)、福岡県43.8(同13.1ポイント低下)。広島県で前年並みとなったものの、前四半期に50を超えていた福岡県エリアが大きく低下するなど、全国的に景況感は振るわない結果となった。

 10~12月期の見通しでは、北海道50.0、宮城県32.8、首都圏44.2、静岡県33.3、愛知県39.5、近畿圏44.9、広島県44.2、福岡県56.3と、4エリアで前期を上回る予測。

 不動産会社からは「賃貸にそれなりの金額を払うなら、安い中古物件を買うという選択肢が増えた」(北九州市)と、賃貸から購入への移行が見受けられたほか、「建築工事の増加により工事車両の月極駐車場需要が増加している」(東京都渋谷区)などの声が見られた。

 一方、売買仲介DIは北海道44.1(同4.2ポイント低下)、宮城県46.2(同0.5ポイント低下)、首都圏44.5(同0.5ポイント低下)、静岡県41.0(同2.0ポイント上昇)、愛知県39.7(同8.2ポイント低下)、近畿圏41.2(同1.7ポイント低下)、広島県39.1(同2.6ポイント低下)、福岡県52.8(同1.7ポイント上昇)。全国的に前年割れの状況が続いているものの、福岡県のみ3期連続DIが50を上回った。

 10~12月期の見通しは、北海道38.9、宮城県38.5、首都圏45.4、静岡県39.7、愛知県46.5、近畿圏47.0、広島県50.0、福岡県55.6と、5エリアで前期を上回る予測となった。

 回答した不動産会社からは、「スピード優先の早いもの勝ち的な要素が顧客心理をあおっている」(東京都千代田区)、「妥協しないお客さまが増え、完全に好みに合致しないと決まらない」(京都市)などといった声が聞かれた。


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