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「不動産投資市場は好調を維持」/JLL

 ジョーンズ ラング ラサール(株)(JLL)は30日記者懇親会を開き、代表取締役社長の河西利信氏が、2015年の同社の活動総括と16年の成長戦略について発表した。

 16年は、売買・賃貸・プロパティマネジメントなど、これまで行なってきたサービスを継続強化していくと訴え、多様化するニーズに対応すべくサプライチェーンやロジスティクスのコンサルティング強化に加え、大阪へのオフィス開設で「不動産マーケット等について、積極的な情報発信をしていく」(同氏)とした。

 その後、同社リサーチ事業部長の赤城威志氏が「アベノミクス後の日本不動産市場の検証-いまだ勝機あり」と題したレポートを発表。12年にスタートしたアベノミクスにより、不動産取引は活発化し、13年初頭の金融緩和策以来、急速に増加。14年の不動産投資額は4兆7,000万円と、12年の倍以上に増加していると説明した。
 
 また、海外投資家による日本不動産への投資は、良好な借入れ条件等により11年比で14倍となる等、堅調であることを示唆する一方、REITや国内不動産会社等の国内投資家が市場を独占しており、海外投資家が参入しにくい環境であること等も指摘した。
 
 現状については、東京Aグレードオフィスの平均利回りが3.1%と縮小しているものの、引き続き健全な状態を保っており、資産取得や将来の資産価値向上に向けてさらにレバレッジを効かせる余地を残しているとした。
 今後については、企業成長の可能性を残していることから、Aグレードオフィスの賃料は2~3年緩やかに成長が続くと予測。「アベノミクスは資産価格を向上させるという成果をみせたが、実質賃金等の実態経済への効果が見えづらい。市場へ資金供給を行なうことで、実態経済に道筋を作り、投資機会を創出することが必要であろう」(同氏)とした。


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