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実験集合住宅の中間報告会、電力融通で購入電力9割減に/大阪ガス

会場には約300人が集まった

 大阪ガス(株)は1日、泉ガーデンギャラリー(東京都港区)で同社の実験集合住宅「NEXT21」(大阪市天王寺区、総戸数18戸)の実験開始21周年記念シンポジウムと現在進行中の実験「第4フェーズ」の中間報告会を開いた。

 NEXT21は、近未来の都市型集合住宅のあり方を検証するために1993年に建設した実験集合住宅。94年に「第1フェーズ」の実験を開始して以来、実際に同社社員とその家族が居住し、環境設備や暮らし方といったさまざまな側面で居住実験を行なってきた。

 報告会では、現在進行中の「第4フェーズ」で実施している実験の進捗状況やフェーズ中間時点での結果等を報告。高効率のSOFC(燃料電池)の24時間定格運転や住戸間の電力融通の効果を検証しており、蓄電池とSOFCを組み合わせて電力融通したところ、購入電力を実験前に比べて91%削減できたと報告した。

 また、住まい方の実験では、日本家屋における“縁側”のような、住戸の内部と外部の中間領域が暮らしや温熱環境に与える効果、緑化管理が住民コミュニティやマンション周辺の生態系に与える影響など、さまざまな実験とその途中経過を発表した。

 その後行なったシンポジウムでは、東京大学名誉教授の内田祥哉氏や京都大学大学院教授の髙田光雄氏らが講演。また、「NEXT21から、これからの住まいを考える」と題して(有)野沢正光建築工房主宰の野沢正光氏と(株)集工舎建築都市デザイン研究所所長の近角真一氏、(株)オープン・エー代表の馬場正尊氏と髙田氏による2つの対談も行なわれた。


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