(公社)東京都宅地建物取引業協会は2日、東京国際フォーラム(東京都千代田区)で「創立50周年記念講演会」を開催。協会会員やその関係者、東京都知事の舛添要一氏、(公社)全国宅地建物取引業協会連合会会長の伊藤 博氏などの来賓合わせ、3,000人余りが詰めかけた。
冒頭挨拶した同協会会長の瀬川信義氏は「長年の悲願であった宅地建物取引士への名称変更と創立50周年を同時に迎えることができた。協会が設立してから、高度経済成長、バブル経済と崩壊、リーマンショック、東日本大震災と、まさに激動の50年であったが、公共の利益と業界の発展のため活動してきた。今後も公益団体として、社会のため、都民のための責務を果たし、次の50年に向け飛躍していきたい」などと語った。
同会長の挨拶に続いて、安倍晋三首相からのビデオメッセージが放映された。メッセージの中で安倍氏は「協会創立50年の節目を、不動産業界の新たな幕開けとなる宅地建物取引士誕生とともに迎えられたことをお祝い申し上げます」と祝辞を述べた。
また、来賓として挨拶した舛添氏は「宅建協会の会員の皆さまは、都民の生活に最も近い場所でお仕事されているわれわれのパートナーだと思っている。これからも、東京都の発展に向け、さらなるご尽力をお願いしたい」と謝意を述べた。
講演会では、ジャーナリストで(公財)国家基本問題研究所理事長の櫻井 よし子氏が「日本よ、のびやかなれ」をテーマに講演。同氏は、アメリカの弱体化を契機に、中国・ロシアやISISの台頭など世界の勢力図が大きく塗り替わり、「日本は、かつてない危機下にある」と警鐘を鳴らした。そのうえで「世界には200もの国があり、日本の価値観だけでは世界に通用しない。そうした中で、日本はいまの生活を守るための力が必要となる。皆さまも、それを頭に入れてお仕事していただき、日本を今の形で、今まで以上にいい国として、子供や孫の世代へ引き継げるようにしていただきたい」と力説した。
続いて、西武信用金庫理事長の落合寛司氏が「成熟社会における不動産業の今後」と題し講演。マーケットが縮小する中で、地場不動産業者は地域の金融機関とのネットワークがより重要になるとし、「金融機関をうまく活用して、新たなニーズを生み出してほしい」と訴えた。