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地場仲介業者の景況感DI、1~3月の見通しは7エリアで改善/不動産流通研究所調査

 (株)不動産流通研究所は8日、2015年10~12月期の「地場の不動産仲介業における景況感調査」(第8回)の結果を公表した。アットホーム(株)に研究を委託して四半期ごとに行なっているもの。

 北海道、宮城県、首都圏、静岡県、愛知県、近畿圏、広島県、福岡県のエリアごとに前年同期と比較した業況判断指数(DI)を算出。DIは「50」が前年並みを示す。アットホームの全国不動産情報ネットワーク加盟店のうち、同一都道府県内で5年を超えて不動産仲介業に携わる2万3,986店の経営者や役員、管理職を対象にインターネットで調査。有効回答数は530店。

 10~12月の賃貸仲介DIは、北海道46.9(7~9月期比1.9ポイント上昇)、宮城県28.6(同7.3ポイント低下)、首都圏38.6(同0.9ポイント低下)、静岡県31.0(同4.7ポイント低下)、愛知県38.1(同1.4ポイント低下)、近畿圏43.0(同1.5ポイント上昇)、広島県48.2(同1.8ポイント低下)、福岡県47.1(同3.3ポイント上昇)だった。全エリアで前年よりも業況は悪化しているという見方ではあるが、北海道、近畿圏、福岡県では前期よりもDIが改善している。

 16年1~3月期の見通しDIは、北海道59.4、宮城県30.4、首都圏42.5、静岡県41.0、愛知県44.0、近畿圏49.4、広島県46.4、福岡県54.4となった。北海道と福岡県で前年よりも業況が改善すると見込まれ、DI値は7エリアで前期を上回った。

 不動産会社からは、「築年数が経過している物件の成約までの期間が長くなった」(東京都新宿区)、「震災前の状況に戻った」(仙台市)などといった市況の悪化を懸念する声が上がっているほか、活発な都市部に対して郊外部は停滞という二極化傾向を指摘する声もある。

 売買仲介DIは、北海道41.7(同2.4ポイント低下)、宮城県40.9(同5.3ポイント低下)、首都圏43.8(同0.7ポイント低下)、静岡県39.5(同1.5ポイント低下)、愛知県42.3(同2.6ポイント上昇)、近畿圏41.2(同変化なし)、広島県53.6(同14.5ポイント上昇)、福岡県51.2(同1.6ポイント低下)。広島県は前期よりも大きく改善して前年を上回った。福岡県は前期よりも微減したが前年を上回る水準を維持している。一方でその他のエリアでは前年よりも市況が悪化しているという傾向になった。

 1~3月期の見通しDIは、北海道51.7、宮城県38.6、首都圏43.2、静岡県44.5、愛知県44.2、近畿圏47.7、広島県53.6、福岡県47.6。DIが50を超え、4エリアでDIが改善した。

 不動産会社からは、「売り手市場が一層強まっている。特にマンションは売り物件が少なく、価格上昇が顕著」(東京都千代田区)、「郊外を検討に入れるお客さまが多くなった」(神戸市)、「消費増税を意識したお客さまが顕著」(名古屋市)などといった声が聞かれた。


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