(一社)不動産証券化協会(ARES)は29日、私募リートの保有資産額や出資総額の集計「私募リート・クォータリー」の公表を開始した。15投資法人が情報提供に協力している。
市場規模等の基礎的な情報が公表されていない私募リートの全体像をつかむ指標となる。四半期ごと(3・6・9・12月末)に調査を実施していく。情報提供を受けたすべての私募リートを集計対象とすることで、情報精度も高める。
1回目の公表値となる2015年12月末時点における私募リートの物件総数は308件、保有資産総額は1兆4,062億円。エクイティ出資総額は8,619億円となった。
保有資産種別はオフィスビルが43%で最多。以下、賃貸住宅23%、商業施設14%、物流施設16%だった。投資家の分布については、地域金融機関が41%で最多となり、年金24%、中央金融法人23%、事業会社等13%。
また同日、不動産投資インデックス「AJPI(ARES Japan Property Index)」「AJFI(ARES Japan Fund Index)」を本格稼働し、その一環として国内初となる「私募リートインデックス」などの提供を開始することも発表した。
AJPIとAJFIは12年10月より提供を開始。インデックス算出ロジックの検証やデータ提供会社の参画によるデータ基盤の拡大などを行なってきた。従前より新たなサービス提供の可能性を模索してきたが、データ提供各社の理解を取り付けたことから、本格稼働に移行する。
本格稼働に当たり、新たに提供するサブインデックスは私募リートのほか、「物流施設インデックス」「ホテルインデックス」の2種類。商業インデックスについては「都市型商業」と「郊外型商業」に細分化する。
指数等の情報については、同協会のインデックス専用ウェブサイトから無償でダウンロードできる。毎月、最終週に更新していく予定。