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「不動産鑑定士の業務拡充」テーマに、JARECとの共同研修会開催/東京都不動産鑑定士協会

「不動産鑑定評価書をつくるだけでは社会のニーズには対応しきれなくなっている。不動産の価値判断ができる専門家としてプロの仕事を提供していかければならない」と述べる吉村会長

 (公社)東京都不動産鑑定士協会は4日、NPO法人日本不動産カウンセラー協会(JAREC)後援で、第41回定期研修会を開催。約60人が参加した。

 今回は「不動産鑑定士の業務拡充」をテーマに開催。両会は、2月19日に研修に関する友好協定を締結しており、その初弾として、JARECから理事・業務・研修委員会委員(日本土地建物(株)CREコンサルティング部副部長)の石川 聡氏ら3人が講師として登壇した。

 石川氏は不動産鑑定業とCRE事業に関わってきた経歴を生かし、「鑑定業務からカウンセリング・アドバイザリー業務へ」をテーマに講演。従来の不動産鑑定業務の市場規模は限られているとし、従来の職能を生かしながらも、業務の裾野を拡大していくべきと解説した。賃料評価、意思決定支援、会計報告、担保評価などの手法を、事例を交えながら紹介。「お客さまが本当に求めているニーズは何なのかを判断し、そこにつながるコンサルティング業務を展開すべき」と述べた。

 その後、石川氏のほか、JARECからは常務理事((株)三輪不動産研究所代表取締役)の三輪勝年氏、理事((株)エスアイ・アセットサービス代表取締役)の小野祥吾氏、東京都不動産鑑定士協会からは、理事(日本ヴァリュアーズ(株)代表取締役)の小室 淳氏がパネラーとして登壇し、同会理事(青山リアルティー・アドバイザーズ(株)代表取締役副社長)の服部 毅氏がモデレーターを務め、パネルディスカッションを開催した。

 研修会冒頭、同会会長の吉村真行氏は「不動産鑑定士を取り巻く環境は社会経済環境の激変と共に大きく変わり、不動産鑑定評価書をつくるだけでは社会のニーズには対応しきれなくなっている。(公社)日本不動産鑑定士協会連合会が進めている『住宅ファイル制度』など、不動産の価値判断ができる専門家としてプロの仕事を提供していかければならない。今研修会では不動産鑑定士が不動産ビジネスの上で活躍するヒントを得てほしい」と述べた。


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