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「大都市および住生活のあり方に関する提言」を公表/不動産協会

 (一社)不動産協会は16日、理事会を開催。これからの目指すべき都市や住生活のあり方についてとりまとめた「大都市および住生活のあり方に関する提言」を公表した。

 少子化・高齢化、生産年齢人口の減少といった社会構造の変化が本格化する中、国民一人ひとりが真に豊さを実感でき、将来に希望が持てる社会を目指すと共に、“一億総活躍社会”の実現に向け、目指すべき姿を提示したもの。

 提言では、「国際競争力のある大都市を創造するためには、従来の強みである安全・安心・正確性に加え、文化・交流・住みやすさ等をさらに強化し、世界で最もビジネスがしやすい都市環境を実現することが重要」とし、(1)民間が主体となって取り組む都市再生プロジェクトや国家戦略特区プロジェクト等をこれまで以上に加速・発展させ、同時に大都市戦略を構築し、それを推進する環境を整備する、(2)官民が適切に役割分担・連携して都市の再生に取り組む、(3)エリアマネジメントや防災・環境への取り組みによりハード・ソフトの業面からの持続可能なまちづくりを推進する、等を挙げた。

 少子化・高齢化・生産年齢人口の減少等の課題解決にまちづくりを通じて貢献するため、(1)若い世代が家庭を築き、子供を住み育てやすい環境づくり、(2)高齢者が安心して暮らすことができる環境づくり、(3)女性、高齢者、外国人など多様な人々が新たな働き手・活力の担い手として活躍することができる環境づくりが必要とした。

 良質な住宅ストックを形成し、手入れをしながら長く使い将来へ継承していくために、(1)建て替え等の手法により高品質な新築受託としての再生・供給、(2)既存建物を再生し、良質な住宅として市場に戻すこと、(3)多様なニーズ・ライフスタイルに応える住宅の供給などを施策として挙げた。
 
 同協会は、同提言について来年度以降シンポジウムを開催するなどして、広く発信。その実現に向けて都市政策、住宅政策、税制改正等に関する取り組みを具体的なアクションとして積極的に実行していく。
 
 理事会後の記者懇談会で、同協会理事長の木村惠司氏は「2020年のオリンピックを経て、25年には後期高齢者が大都市で大幅に増加すると推計される。今回の提言では、25年までと、それ以降の社会経済を展望している。これを広く発信していくと共に、日本経済の力強い成長のために積極的に貢献していきたい」などと話した。


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