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新たな土地政策のあり方、空き家の寄附や有効活用促進/国交省

 国土交通省は26日、第27回国土審議会土地政策分科会企画部会(部会長:東京工業大学大学院社会理工学研究科教授・中井検裕氏)を開催。6月にとりまとめ予定の「人口減少下での経済成長を支える土地政策のあり方(案)」を示した。

 「土地・不動産の最適活用・管理」をテーマに、eコマースや観光・宿泊、医療・福祉・健康等、成長分野での需要を生かし、土地・不動産の流動化による生産性向上や経済成長への貢献、遊休化している空き家・空き地等の問題に対応した適切な管理の実現を目標に策定。市場での利用ニーズや所有者による所有・利用意欲等、土地の特性に応じた施策を講じるとした。

 利用ニーズのある土地・不動産の活用では、成長分野の土地需要を踏まえた土地・不動産活用の円滑化・流動化やリートの投資促進を進めるほか、不動産特定共同事業の充実、国際化への対応を通じた需要喚起等を進める。
 所有・利用意欲が低下した土地・不動産の活用では、利用可能な空き家・空き地の寄附や地域やプロフェッショナルと連携した有効活用・適正管理等を促進。具体的には隣地との一体利用、まちなか空地の創出、移住や起業促進、観光、子育て・高齢者福祉支援、地域活動等の促進を進める。
 これら活用を促進するにあたって、国による情報提供方法の改善、収益や賃料といった情報内容の充実化を図るほか、ITを活用し空き家バンクや地籍調査制度の改善を図る。
 所有・利用意欲が失われた土地・不動産の最適管理では、所有者の所在の把握が難しい土地の管理・帰属のあり方、災害リスクの高い地域や超郊外等の土地利用のたたみ方を検討していく。土地の所有・利用意欲の減退原因となっている相続面では、相続登記のさらなる促進方策の検討や所有者情報の確実な把握のための環境整備等を行なっていく。

 委員からは「地域のあり方を踏まえた内容整理が必要」「それぞれ施策の管理主体を明確化すべき」「不要な空き家等の対策を強化すべき」といった意見が出された。

 次回(5月24日)では、今回出た意見等を反映したとりまとめ案を再度検討する予定。


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