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グループ総合力生かし、大妻女子大学の新施設を開発/三菱地所

「大妻女子大学H棟」外観
ラウンジは1~2階の吹き抜けとし、開放感を創出した

 三菱地所(株)は25日、開発を進めてきた「大妻女子大学H棟」の竣工に先立ち、報道陣向けに公開した。
 
 同計画は、大妻女子大学を運営する大妻学院が2008年より進めている「千代田キャンパス再開発プロジェクト」の一環。三菱地所が09年より「大妻学院本館」のプロジェクトマネジメント支援を実施していた中で、新たな校舎の拡充を図りたいというニーズに応対する形で実現した。 

 キャンパスに隣接する既存オフィスビルを三菱地所が購入。校舎を新築した上で、大妻学院に譲渡するというスキーム。三菱地所が建築主となり既存ビルのテナントの移転業務を行なった。また、三菱地所設計(株)が設計監理業務を行ない、三菱地所レジデンス(株)が事業協力、三菱地所リアルエステートサービス(株)が計画地の不動産仲介実務を実施した。三菱地所コミュニティ(株)がアフターサービス業務を担当する。

 敷地面積は約1,481平方メートル、延床面積は約6,000平方メートル。地下2階地上8階建て。デザインは、キャンパス内の既存校舎との連続性と調和に配慮し、温かみと先進性を兼ね備えた内外装計画とした。

 また、教室の窓から階段室上部の換気窓へと風の抜ける自然換気システムを設置する他、周辺環境との調査を図る外構・植栽計画とするなど、環境にも配慮。自然光を取り込んだ明るく安全な階段室・共用部を設置したほか、地震時における耐震性能として重要度係数1.25を確保するなど、安全性にも配慮した。また、教室内は最先端の情報処理設備を設けている。

 16年度には同大学多摩キャンパスから比較文化学部が、17年度には社会情報学部が移転する予定。

 同社資産活用室室長の杉山 彰氏は、「グループの総合力を生かしてプロジェクトを完成させることができた。当社の“まちづくりで社会貢献”を実現できたと思う。大学の都心回帰の傾向がみられるが、今後も機会があればこうしたプロジェクトを手掛けていきた」と話した。


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