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不動産の価値判断ができる実務家・専門家の育成へ/東京都不動産鑑定士協会が総会

「不動産の価値判断ができる実務家・専門家の育成に注力」と述べる吉村会長
懇親会ではオリジナルキャラクターを発表した

 (公社)東京都不動産鑑定士協会は5月31日、第37回総会を開催。2015年度事業報告・決算等を承認した。

 3月の理事会で承認済みの16年度の事業計画は、住宅ファイル制度実現に向けた調査や(公社)東京都宅地建物取引業協会等との共同・研究事業、(公社)日本不動産鑑定士協会連合会が示す、社会ニーズに対応した不動産鑑定業ビジネスモデル「3A(Appraisal(評価)、Analysis(分析)、Advisory(助言・提案)」分野における現状ニーズとのマッチングや業務実態調査などを推進する。

 総会後の懇親会で同会会長の吉村真行氏は、「昨年の会長就任時に掲げた(1)業務拡充、(2)人材育成、(3)不動産鑑定士の地位向上の具現化を推し進めていく」と挨拶した。具体的には不動産の価値判断ができる実務家・専門家の育成に注力。プロフェッショナル育成と人材発掘のため、実務的研修の拡充やweb化などによる研修機会の増加、研修の無料化のほか、武蔵野大学での寄附講座開設や広報キャラクターの企画・制作・活用などを行なっていく。「これら活動を着実に積み上げて知名度アップを図り、地位向上につなげていきたい。不動産鑑定士が社会に広く認められる存在になるよう努力を続ける」(吉村氏)。

 併せて、広報キャラクターの全容も発表。「アプレイざるちゃん」と「コンさるくん」というサルのキャラクターで、ビジネスモデルの「3A」をテーマに、「アプレイザルちゃん」は“不動産の鑑定人”、「コンさるくん」は“不動産のコンサルタント”という設定。今後はさまざまなメディアやイベントに露出させ、不動産鑑定士の認知度・理解度アップにつなげていく。

 なお、吉村氏は、同会における熊本地震への被災者支援実施状況についても言及。熊本住宅補修相談ボランティアツアースタッフ、南阿蘇村の被災家屋状況調査員や罹災証明書発行会場での相談員として同会会員を複数人派遣したことを公表した。「このように被災地以外の外部団体が全面的に協力することは前例がない。不動産鑑定士の業務拡充という視点からも意味がある活動」(同氏)とした。


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