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第3回学生・デザインコンペティション、最優秀賞に法大院生の2人/ポラスグループ

審査員の投票結果がスリーン上でその場で公開される
最優秀賞を受賞した法政大学大学院の道ノ本健大さんと、冨安達朗さん
最終審査対象となった作品5点を発表した学生たちと5名の審査員

 ポラス(株)は23日、「第3回POLUS-ポラス-学生・建築デザインコンペティション」の公開最終審査会を開催した。

 同コンペは、大学院や大学、高等専門学校、専修学校、高等学校に通う学生を対象に、建築の道を志す学生の自由で新鮮な発想を表現・講評する機会を設けることで、将来性豊かな学生を応援するもの。

 今回のテーマは「同じ家が集まってできる、豊かな街」で、小川が流れ近くに小学校や小路がある三角形(最も短い面で40m)の敷地に建つ木造建築。規模は6~10棟程度。

 応募件数は525件で、書類による1次審査を通過した5作品の作者が審査員の前で公開プレゼンテーションを行なった。審査に当たったのは、審査委員長で青木淳建築計画事務所の青木 淳氏と東京大学生産技術研究所教授の今井公太郎氏、乾久美子建築設計事務所の乾 久美子氏、UIDの前田圭介氏、ポラスグループの野村 壮一郎氏の5名。
 
 公開審査の結果、最優秀賞には法政大学大学院の道ノ本 健大さんと冨安達朗さんの、1住戸につき3つのエントランスを持つ「27のエントランスを持つ街」、優秀賞に早稲田大学大学院の進藤 翼さんによる、屋根が逆さまになって反復する家である「さかさやねハウジング」が選出された。 発表された他の3作品「受け止める余白の家」(東北大学大学院・中川 涼さん、岸 苑実さん)、「7houses-境界線のレトリック-」(東京理科大学大学院・大村高広さん)、「ヘヤイエ」(東京理科大学大学院・斎藤誠司さん、杉浦菜花さん) は入選となった。

 審査委員長の青木氏は、最優秀作品を「模型を見ると楽しそうな気がする。可能性を感じる作品」と評価し、「今回の課題は大変だったと思うが皆さん軽々とこなされた印象。今の時代は日常的なところからスタートさせて『設計』という行為を通し考えて少しずつ修正案を考え、出していく。そういう繰り返しの忍耐力等を超えて初めて面白いものが出てくるもの」とコメントした。

 事業者側として審査に加わったポラスグループの野村 壮一郎氏は「最終的には『作品』というより『商品』としてどう価値があるかという視点で選んだ。多少の乱暴さはあってもそこに力があるかどうか。言葉の力やストーリーがある提案かどうかが大事」と感想を述べた。

 なお、同コンペティション第1回(2014年)の応募作品の中から選出された「斜め玄関の家」のコンセプトをもとに「MIRAI's三郷中央nextstage『絆ぐ街』」として15年12月に商品化されている。


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