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赤プリ跡地の複合再開発、「東京ガーデンテラス紀尾井町」27日に全面開業/西武プロパティーズ

グランドオープンを待つ「東京ガーデンテラス紀尾井町」。手前の洋館が「赤坂プリンスクラシックハウス」。その後ろが商業施設・オフィスビル・ホテルの複合タワーで、30~36階が「ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町」となる
「ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町」客室(スイート)。ガラス面を多く採り、超高層からの眺望をアートのように客室の借景とする
「赤坂プリンスクラシックハウス」内部。竣工図面などを参考に、照明やクロスなどを当時同様に復原している

 (株)西武ホールディングス傘下の(株)西武プロパティーズが進めてきた旧赤坂プリンスホテル(グランドプリンスホテル赤坂)跡地の複合再開発「東京ガーデンテラス紀尾井町」(東京都千代田区)が27日、全面開業する。

 同事業は、東京メトロ有楽町線他「永田町」駅に隣接する、敷地面積約3万平方メートルに及ぶ再開発。地上36階地下2階建て(延床面積約22万平方メートル)の複合ビルと、地上21階地下2階建ての賃貸マンション(総戸数135戸)を建設し、オープンスペースを整備。旧李王家東京邸(旧グランドプリンスホテル赤坂 旧館)を保存・復原する。今年5月、オフィス・賃貸住宅、商業施設の一部と地下鉄駅直結通路などを先行オープン。27日にホテル「ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町」と商業施設「紀尾井テラス」の3.4階部分、旧館を復原した「赤坂プリンスクラシックハウス」が開業する。

 複合ビルの30~36階部分を占める「ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町」(全250室)は、プリンスホテルグループのフラッグシップホテルという位置付け。スターウッドホテル&リゾートワールドワイドと提携し、その最高級カテゴリーに加盟。訪日外国人需要を積極的に取り込んでいく。延床面積は約2万8,000平方メートル。超高層の眺望を生かしたレストラン、バー、ラウンジ、スパ・フィットネスなどを用意。客室は、広さ100平方メートルのスイートから42平方メートルのツインルームまで15プラン。宿泊料金は、一泊6万3,000~59万円。

 「赤坂プリンスクラシックハウス」は、1930年築、宮内省内匠寮設計・建設の洋館で、ホテル・レストラン・バー・バンケットとして2011年まで営業していた。復原にあたっては、免震化の上、建設当時の資料をもとに照明器具や外壁などの主要部分を当時の状態へ戻し、新たにバンケットを増築。レストラン・バー、多目的ホールなどを備えた「まちのシンボル」として運営する。

 19日会見した西武プロパティーズ取締役の齋藤朝秀氏は「赤坂プリンスクラシックハウスは、100枚を超える竣工図面をもとに、耐震性能を高めながら当時の姿に復元した。新しい時代に求められる新しい活用方法で、歴史ある建物を後世にしっかりと残していくことが、われわれの使命だ」などと語った。

 また、ホテルを運営する(株)プリンスホテル専務執行役員の武井久昌氏は「スターウッド社との提携により、世界に愛されるホテルを目指していく。東京ガーデンテラス紀尾井町の価値向上のけん引役を担っていきたい」などと抱負を語った。


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