グローバル・ロジスティック・プロパティーズ(株)代表取締役社長の帖佐義之氏が28日、マスコミと会見。2016年上半期の投資状況と今後の展開について説明した。
同社はこの半年で、「GLP吹田」(大阪府吹田市)、「GLP五霞」(茨城県猿島郡五霞町)など、7棟・約61万平方メートルの開発に着手し、「GLP厚木」(神奈川県厚木市)1棟・約9万平方メートルを竣工した。
関東のマーケットについて帖佐氏は、「圏央道が整備されたことで、物流適地が大幅に増加した」述べ、「GLP五霞」を例に挙げ、以前は厚木まで、首都高速を経由して3時間を要していたところ、圏央道の利用で1時間にまで短縮されたことから、物流倉庫の適地となり開発を決定したと説明。なお圏央道沿いに立地する同社の竣工済み物件全5物件は100%稼働で、開発中の「GLP五霞」、「GLP川島」(埼玉県比企郡川島町、「GLP狭山日高II」(埼玉県日高市)ついても引き合いが強く、竣工時満室が期待できるという。
今後も圏央道沿いを含め幅広く展開していく意向を示したほか、「圏央道沿いに限らず、その圏内の比較的小さい面積の土地での開発や、既存倉庫をリノベーションする形での開発も進めていく」(帖佐氏)考えを明らかにした。
関西については、需給が関東より逼迫しているとし、「他社も含めて湾岸部で開発が進められている。当社も、湾岸エリアと郊外内陸部エリアで立地を精査しながら、積極的に投資を進めていく」と述べた。
なお、テナントについては、3PLに加えて、荷主への直接賃貸が増加していると述べ、「これまでの、3PLに丸投げといった状況から変化してきている。当社が荷主と直接契約する機会が増えている。当社ではビジネスチャンスの拡大と捉えている」と語った。
同社では、競争が激化するマーケットでの戦略として、付加価値を創造・付加する取り組みを進めており、作業効率を最大化するための施設設計や労働力確保のためのおしゃれかつ快適なラウンジや清潔かつ多機能のトイレ、トラックドライバーのためのデジタル情報掲示板の設置など、多様な取り組みを進めている。また労働力確保に向けても、物流人材派遣最大手と提携しGLP施設に優先的に人材を供給してもらったり、カスタマー間で人材をシェアする仕組みなども構築している。
帖佐氏は、「以前の価格競争の時代から、スペック・サービスでの競争へとシフトしている。いわばアイディア勝負となってきており、当社でも何が求められているのか、何ができるのかを考え、提供していく」と述べた。