(株)帝国データバンクは11日、老人福祉事業者の倒産動向調査の結果を公表した。2016年1~9月に発生した老人福祉事業者(訪問介護・通所介護サービス、各種老人ホーム、高齢者向け住宅サービスなどの高齢者向けサービスを主業とする事業者)の倒産動向を分析した。
期中の老人福祉事業者の倒産は69件発生しており、00年以降最悪だった15年の58件をすでに上回るハイペースで増加していることが分かった。
69件の倒産態様の内訳は、「破産」が66件(構成比95.7%)、民事再生法が3件(同4.3%)。法人格内訳は、株式会社が38件(同55.1%)、有限会社と合同会社がそれぞれ12件(同17.4%)と、この3つで8割を超えた。
業態別内訳は、「訪問介護、通所介護サービス」が56件(同81.2%)と大多数を占め、以下「有料老人ホーム」7件(同10.1%)、老人介護福祉施設3件(同4.3%)、高齢者専用賃貸住宅サービス2件(同2.9%)、特別養護老人ホーム1件(同1.4%)であった。
同業者間の競争が激化する中、06年の改正介護保険法施行による介護報酬引き下げ、介護保険給付対象からの住居費用・食費の除外などにより、経営が悪化していた中、15年の介護報酬引き下げにより、現在の倒産増加の状況につながったと同社は指摘している。