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東京エリアで3・4階建て住宅の受注に注力、シェアアップを図る/住友林業

 住友林業(株)は8日、2017年3月期第2四半期決算説明会を開催した。

 決算概要については、7日のニュースを参照。

 国内住宅事業において、消費税増税の再延期による駆け込み需要がなくなったことにより受注は前期を下回ったものの、販売棟数は増加。加えて「ビッグフレーム構法」の販売拡大により完工単価も向上した。リフォーム事業においては、消費税増税の再延期により大型リフォームの駆け込み需要がなくなったことに加え、販売価格上昇による仕入れ物件の減少等の要因により、前年同期比で微減。
 一方、海外住宅事業は堅調に推移し、1月に持分を取得したDRBグループが期初より業績に大きく寄与。これらの結果、売上高、営業利益、経常利益および当期純利益がいずれも前年同期比を上回った。

 なお、期末時点の受注残は、注文住宅7,711棟(2,851億4,100万円)、賃貸住宅2,337戸(329億6,500万円)、リフォームは293億3,000万円。

 通期は、売上高1兆1,100億円、営業利益460億円、経常利益480億円、当期純利益270億円を見込んでいる。住宅事業では期初計画から受注棟数を200棟引き下げ8,000棟に下方修正、販売棟数も100棟下方修正したが、完工単価のアップ・経費抑制による減益幅を縮小し、経常利益予想でマイナス5億円に留めた。海外事業では円高傾向だが住宅事業が堅調に推移していることから同プラス5億とした。

 来期以降の事業戦略は、木材建材事業では成長市場への対応や海外展開を強化。住宅事業では、東京エリアで3・4階建てを中心とする多層階住宅受注に注力することで戸建注文住宅の受注底上げを図り、リフォーム・賃貸住宅等周辺事業の規模拡大を目指す。海外事業ではアメリカ・オーストラリアにおいて8,000棟(アメリカ5,000棟、オーストラリア3,000棟)体制の早期確立と、製造事業における収益力アップを図る。
 そのほか生活サービス事業において、介護付き有料老人ホームを19年3月までに現在の12施設から20施設に拡大するなど、収益の多様化も目指す。

 会見した同社代表取締役社長の市川 晃氏は、受注状況に関して、「年初から3月までは展示場の来場者数はまずまずだったが、消費税増税がなくなった後に減少。ここ1~2ヵ月で戻ってきており、市場としてはやや動き始めた感がある。現在の受注環境は厳しく商談も長期化する傾向。これだという決め手はないが、しっかりお客さまに対応し、要望に応えることで受注につなげたい」などと述べた。
 また、19 年3月期を最終とする中期経営計画に関しては、「計画作成時は消費税増税による駆け込み需要の発生とその後の反動減を織り込んだ目標となっているが、今回はあえて数値の変更はしていない。今後の世界経済の状況が不透明であること、国内の市場環境が停滞していることを考えれば簡単に達成できる目標ではないが、19年3月期を通過点として将来を見据えた施策を着実に実行していく。数値目標をクリアするだけでなく継続的な成長戦略に資するように内容にこだわりたい」と話した。


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