積水ハウス(株)は、大阪ガス(株)と共同で、リノベーションした住宅でゼロエネルギーを実証する国内初の長期居住実験を、12月1日から開始する。
両社は、これまでに家庭用部門の省エネルギー化を目的に、2011年2月~14年5月まで共同で居住実験を実施。3電池(燃料電池、太陽電池、蓄電池)を最適制御することで、新築住宅でのCO2排出量を通年でゼロにできることを日本で初めて実証した。
今回は、リノベーションした既存住宅でCO2排出量ゼロかつゼロエネルギーの達成と、健康・快適な暮らしを両立することができる住宅の実現を目指す。リノベーションにより、窓を真空複層ガラスに交換。1階床下と2階天井裏に断熱材を追加し、断熱性能を約12%向上した。また、居室ごとの空調方式から、空間の温度差が小さな全館空調に変更した。
実証システムでは、燃料電池を常に高効率な定格出力で運転し、省エネルギーな電気と熱をつくるほか、空調制御することで、少ないエネルギーで健康・快適な空調を実現する。
実証実験を通して、CO2排出量ゼロかつゼロエネルギーの実現に加え、快適に暮らすために求められる室内環境レベルや、IoTコントロールのあり方を生活者の声を取り入れながら検証、より健康・快適な暮らしが可能となるスマートハウスの実現を進めていく。
居住実験住宅(奈良県北葛城郡)は、軽量鉄骨造2階建て、4LDK、延床面積138.8平方メートル。居住人数3人。実験期間は16年12月~19年3月。