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国際主要都市オフィス価格変動率、「東京」「大阪」が上位に/JREI調査

 (一財)日本不動産研究所(JREI)は29日、第7回「国際不動産価格賃料指数」(2016年10月)の調査結果を発表した。
 
 国際的な主要都市の不動産市場動向を調査するため、同研究所の不動産鑑定士が評価した価格・賃料を指数化したもの。対象は、東京、大阪、ソウル、北京、上海、香港、台北、シンガポール、クアラルンプール、バンコク、ジャカルタ、ホーチミン、ニューヨーク、ロンドンの14都市で、1都市当たり6物件(オフィス3物件、マンション3物件)。価格時点(各年4月1日、10月1日)において、対象物件の新築・新規契約を前提とした1平方メートル当たりの価格・賃料を指数化した。

 今期、オフィス価格指数の各都市・対前回上昇率が最も高かったのは、前回調査に続き「東京」の+3.4%。次いで「大阪」(+2.9%)、「ソウル」(+2.9%)となった。「東京」は国際的な主要都市と比べても価格上昇が大きいが、金融環境の緩和等を背景とした旺盛な投資需要により、全般的に投資利回りが低下したことが主因。

 賃料の変動率が最も高かったのが「ホーチミン」(+2.2%)。ASEANの中でも堅調なベトナム経済を追い風に、国内企業や外資企業等の賃貸需要が賃料上昇を牽引した。EU離脱で注目される「ロンドン」は、賃料は微減にとどまったが、一部の投資家の中には先行きに対する不透明感から投資を控える動きが見られ、価格は-5.8%と下落した。

 マンション価格指数の各都市・対前回変動率が最も高かったのは、「北京」(+19.7%)、次いで「上海」(+12.4%)。一方、2016年5月の政権交代後も当局の住宅価格抑制策が続く台北は-2.5%となった。
 マンション賃料については、最も高かったのが「北京」(+8.3%)、次いで「上海」(+3.4%)。マイナスとなったのは、「シンガポール」(-2.7%)、「ジャカルタ」(-2.6%)、「クアラルンプール」(-0.8%)、「ロンドン」(-0.6%)、「ソウル」(-0.3%)、「台北」(-0.1%)、の6都市。
 
 東京丸の内・大手町地区所在の最上位オフィスの価格(1棟の賃貸可能面積当たりの床価格単価)を100.0とした価格水準比較では、トップが「香港」の148.3。以下、「ロンドン」(60.9)、「台北」(50.9)、「上海」(44.4)と続いた。賃料水準比較では、「香港」が158.9、「ロンドン」が111.5、「ニューヨーク」が90.7の順。


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