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学生専用住宅事業に参入。武蔵小杉で初弾/伊藤忠都市開発

「クレヴィアウィル武蔵小杉」外観
共用施設をゆったりと取り、学生・留学生のコミュニティの場としているのが特長。1階の食堂とラウンジは、200平方メートル
居室はすべて広さ11.5平方メートル。「狭くても自室に浴室が欲しい」というニーズから、全室ユニットバスを備え、ベッドや机も備え付ける

 伊藤忠都市開発(株)は、新たに学生専用の新築住宅(学生寮)開発事業に参入する。「クレヴィアウィル」のブランド名で展開。初弾となる「クレヴィアウィル武蔵小杉」(川崎市中原区、総戸数390戸)を、18日オープンした。

 新築での学生寮事業は、グローバル時代に向けての留学生の増加、学生の国際交流ニーズや、旧来の「下宿」タイプではない最新設備の住戸ニーズの高まりを受けて事業化を決定。また、これまでグループ会社の伊藤忠アーバンコミュニティ(株)が40年以上にわたり管理・運営事業やコンバージョンによる開発事業を展開するなどノウハウを蓄積してきたほか、グループ系列のREITもポートフォリオとするなど、グループのリソースも生かせると判断した。

 「クレヴィアウィル武蔵小杉」は、JR横須賀線「武蔵小杉」駅徒歩12分に立地。建設地は、分譲マンション事業用地として2014年に取得していたものを新事業に転用した。同社が建物を建設し、伊藤忠アーバンコミュニティが借り上げ、管理・運営する。

 建物は地上7階建て。1階を食堂、ラウンジ、マルチルーム、ランドリールーム、ゲストルームなど共用設備に充て、2~7階が居室となる。各階に専有面積11.5平方メートルの居室を64戸配置。フロアごとにキッチンを備えたリビングスペースを設置、各階居住者専用のコミュニティの場とする。

 エントランス、各階の住戸廊下にセキュリティラインを設け、住戸キーを兼ねたICカードを持つ居住者しか入れないようにした。ICカードは、館内の自動販売機やランドリー、食堂の精算にも使えるため、キャッシュレスで生活が可能となる。住戸は、コンパクトながらユニットバスも設置。ベッド、エアコン、勉強机はあらかじめ備え付けている。6階が男子専用、7階は女子専用フロアとする。

 また、2階をテンプル大学、3・4階を青山学院大学へ、伊藤忠アーバンコミュニティが一括転貸。留学生が居住者の3分の1と占めることから、各種イベントで国際交流を支援するほか、学生向けの就職支援サポートセミナー等も実施していく。

 賃料は、月額6万~7万5,000円。別途水道光熱費が月額7,000円、食費(選択制、平日5日朝夕食)が月額1万8,000円。入居時に、入館費10万~15万円と施設維持費21万円が必要。一般募集は187戸。すでに、8割以上に入居申し込みが入っている。

 同事業を担当する同社総合開発本部総合開発事業第一部賃貸事業第一課長補佐の片岡賢治氏は「稼働率を安定させたうえで、最終的にはグループのREITへ売却する方針。今後も、新規開発や社員寮のコンバージョンなどを併せ、年間2、3棟を開発していきたい」とした。


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